(別冊天然生活『天然ねこ生活』掲載)
言葉がなくても通じ合える、温かでかけがえのない家族
深い信頼関係で結ばれていた愛猫ピキとの別れを経て、縁あって黒猫ピガと弟分のユピという新たな猫たちと出会い、暮らし始めた猫沢エミさん。
「ピキは、女の子らしくこだわりが強くて、3歳くらいまでは、まるで反抗期のような時期もありました。しかると根にもって、『フン!』という態度をとったりして。でも、徐々に、目が合うだけでグルグル喉を鳴らすなど、細やかな愛情表現を見せてくれましたね。ユピとピガは、幼いころからとても素直。おおらかな性格の兄と、欲望に忠実な弟。息ぴったりの2匹のやりとりが、日々、ゆかいです」
パリと東京を往復し、ライブで家をあけることも多い猫沢さん。旅先での習慣は、寝る前の「エア猫」。愛猫の柔らかさや重みを恋しく思い出しながら“空想の猫”を抱っこしているのだそう。
「言葉を交わさなくても、心を通い合わせられる。人間が言葉を獲得する以前の、原初的な感覚を受け止めてくれる存在なのかも」
飼い主がアテレコ
うちの猫時間
猫沢家の猫兄弟
お兄ちゃんの黒猫ピガピンジェリ(右)と、赤トラの弟分、ユピテル(左)。
ユピをやさしく導き、ときにはしかりつけ(?)、兄のように世話を焼くピガ(左)。
猫と音楽
ユピのお気に入りはジャズ。苦手な現代音楽は、かけると別の部屋へ……。
ターンテーブル型の爪研ぎ、キャットスクラッチ。DJユピ、ノリノリです。
つい光すぎる兄
暗闇で目がピカッ! デヴィッド・リンチの映画のよう。
お風呂の時間
子猫時代のピガ、初めてのお風呂。シャンプーが大の苦手。
温厚なピガは暴れたりしないものの、顔が犬のように……。
至極の指しゃぶり
生後3週間のユピ。赤ちゃんのように夢中で指に吸いつく。
ちゅぱちゅぱしゃぶりつつ、そのまま眠ってしまうことも。
すきあらば指探し。1歳を過ぎても、まだしゃぶります
自慢の一品は「キャットハウス」
アーティスト・伴田良輔さんデザインによる段ボール製キャットハウス。兄弟のかくれんぼや鬼ごっこに大活躍。
猫の時間割
08:00 | 起床 |
08:10 | ごはん |
08:20 | 食べてないふりをする |
08:30 | あきらめる |
09:00 | 寝る |
13:00 | 2匹で追いかけっこ |
15:00 | 寝る |
19:00 | ごはん |
22:00 | 寝る |
00:00 | 仕事のじゃまをする |
03:00 | 大運動会 |
05:00 | 寝る |
<取材・文/野崎 泉>
猫沢エミ(ねこざわ・えみ)
ミュージシャン、『Bonzour Japon』元編集長。猫兄弟にいやされつつ、パリと東京を股にかけ活躍。著書に、猫と暮らす喜びや悲しみを綴った『猫と生きる。』(扶桑社)、『イオビエ』(TAC出版)など。インスタグラム@necozawaemi
※記事中の情報は『天然ねこ生活』本誌掲載時のものです
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