(天然生活2022年10月号掲載)
好きなことをして過ごす、ゆとりのあるテーブル
緑豊かな川沿いの一軒家に、小学生の娘、年長の息子、空間プロデューサーの夫と暮らす中村暁野さん。6年前に出合い、越してきたこの家は、バブル時代に建てられた元別荘だったそうです。
「絨毯がピンクだったり、カラオケ用のステージがあったり、変わったつくりでした。引っ越し当時、時間もお金もなかったので、ひとまずのDIYでキッチンとリビングだけは居心地よくしたんです」
部屋づくりの中心になったのが、引っ越しの少し前に買ったダイニングテーブルです。中村さんは、北欧ヴィンテージのこの木肌に合うかどうかを、インテリアをまとめる際の物差しにしているとか。
「天板が大きめだから、私が仕事して、子どもがお絵描きして、それぞれが好きに過ごせるゆとりがあります。子どもの友達が遊びに来ると、テーブルで一緒にクッキーをつくることも」
ご近所づきあいが残る地域に暮らすようになって「子育てが楽になった」と話す中村さん。にぎやかな毎日を、年代物のテーブルがどっしり受け止めているようです。
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<撮影/近藤沙菜 取材・文/石川理恵 トレース/たまスタヂオ>
中村暁野(なかむら・あきの)
一年をかけてひとつの家族を取材する雑誌『家族と一年誌「家族」』を編集するほか、家族をテーマに執筆。また、暮らしを変えるきっかけを生むための小商店を営む。著書に『家族カレンダー』(アノニマ・スタジオ)や、インディーズ出版の『壁の前でうたをうたう』がある。http://kazoku-magazine.com/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです