(『本間真二郎さんの病気にならない暮らし方』より)
自然治癒力を高める食事と暮らし
食卓に並んだのはある日の本間先生一家の食事。玄米と味噌汁と漬物の「基本の3点セット」のほか、自宅の畑で採れた野菜や自家製納豆、鶏肉の味噌漬けなど。
旬の野菜を中心とした、発酵食品や食物繊維が豊富な食事をよくかんで食べる。これが本間家の健康を支える基盤のひとつです。
「食にとって大事な原則は、“身土不二(しんどふじ)”と“一物全体(いちぶつぜんたい)”。
“身土不二”とは自分の体と住んでいる土地は切り離せないという考え。その土地で採れた旬のものを食べることが健康を支えてくれます。
“一物全体”は、食材をできるだけ丸ごと食べるということ。なるべく精製、精白していない食べ物をいただくことで、ビタミンやミネラル、食物繊維を損なうことなく摂ることができるのです」
「人間も自然の一部。衣食住、心も含め、すべてにおいて自然に沿った生活をしていれば病気にならない」が本間先生の考え。その要となるのが腸内細菌です。
おなかの中で多種多様な腸内細菌をバランスよく育てる食事をつくるのは妻の理恵さんです。
「旬の野菜を中心に献立を組み立て、赤、白、黄、緑、黒の5色がなるべく入るようにしたり、海のものと山のものが入るようにしたり。でも、そんなにストイックには考えていません。季節によっては採れる野菜の種類が少ないときもありますが、それも自然なことですから」
〈撮影/林 紘輝、山田耕司 取材・文/嶌 陽子、田中のり子〉
※ 本記事は『本間真二郎さんの病気にならない暮らし方』(扶桑社)からの抜粋です。
本間真二郎(ほんま・しんじろう)
1969年北海道生まれ。小児科医・微生物学者。2001年より3年間、アメリカにてウイルス学、ワクチン学の研究に携わる。帰国後、札幌医科大学新生児集中治療室(NICU)室長に就任。2009年に栃木県へ移住し、那須烏山市の「七合診療所」の所長に。地域医療に従事しながら、妻、2人の子どもとともに、自然に沿った暮らしを実践中。『病気を遠ざける暮らし方 できることから、ひとつずつ。自然に沿ってゆるく生きる』、『感染を恐れない暮らし方 新型コロナからあなたと家族を守る衣食住50の工夫』(ともに講談社ビーシー)、『自然に沿った子どもの暮らし・体・心のこと大全』(大和書房)ほか著書多数。雑誌『天然生活』の連載や特集での反響も大きく、多くの支持を集めている。
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地域医療に従事しながら、妻、2人の子どもとともに、自然に沿った暮らしをしている、自然派医師の本間真二郎さん。
アメリカでウイルス学、ワクチン学の研究に携わり、帰国後は栃木県へ移住し、那須烏山市の「七合診療所」の所長に。この地で、病気にならない暮らしを実践しています。
その秘訣は、体を温め、その場所の季節の食べ物を食べて、ミネラルをたっぷり摂って、腸内細菌を元気にすることで、免疫力を高めること。大きな病を防ぎ、冷えや気象病などの病気やトラブルを防ぎます。
そんな本間先生の健康についてのアドバイスと、家族との自然に沿った農を楽しむ暮らし、食べ物、お手当方法をまとめました。本間家の定番の自然治癒力を高めてくれる食品やお手当の材料、免疫力をあげる発酵食レシピも必見です。
古くて新しい視点で、現代の疲れた心と体を健やかにしてくれる一冊になりました。