(『天然生活』2023年6月号掲載)
きっかけは八百屋さん。それからずっと続けています
原宿の自然派カフェで長年、働いていた夏井景子さん。その近くにあった八百屋の軒先で売られていたぬか漬けのおいしさに魅了され、自分でも始めたのがスタート。
途中、挫折したこともあったけれど、かれこれ10年以上、続けています。
そんな夏井さん、春~秋は常温で管理し、冬は軽く塩をふって冷蔵庫でぬか床を休ませるのだそう。
「冬は白菜漬けやキムチをつくっていることもあり、そのスタイルが定着しました。暖かくなってくると無性に“ぬか漬け”が食べたい! となるんです。義兄がぬか漬け名人なので、情報交換をして日々、楽しんでいます」
夏井さんのぬか漬け
冬場は冷蔵庫で休ませ、春からは常温で
混ぜるのが億劫になってダメにしてしまった経験があるため、ぬか床の置き場所は調理中に目に留まりやすい高めの場所に。
「夏場の暑すぎる時季は冷蔵庫に入れることもありますが、常温においたほうが発酵が活発になるようで、野菜が早く漬かる気がします」
ほぼ毎日。ちょっと変わりものも
新潟出身の夏井さん。漬物全般が大好きなため、ぬか漬けも毎日のように食べているのだそう。
「菊いもは義理の兄に教えてもらいました。食感が楽しくて、箸休めにもぴったりです。毎年、実家から届く漬物用の十全なすは夏の楽しみです」
ぬか漬けはパンにも合う
ぬか漬け=和食と思いがちだけれど「実はパンにも合うんですよ」と夏井さん。
ぬか漬けにした大根やにんじんを薄く切り、細かく裂いた、ゆでささ身や葉野菜、パクチーと合わせれば、ベトナムのバインミー風に。
「フランスパンでつくってもおいしいですよ」
夏井さんのぬか漬けメモ
保管場所:常温(目につく位置に)
容器:野田琺瑯の「ぬか漬け美人」
道具:ぬか漬け専用のまな板
ちょい足しアイテム:干ししいたけ、昆布、柑橘の皮
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<写真/星 亘 構成・文/結城 歩>
夏井景子(なつい・けいこ)
原宿のカフェ「アンノンクック」に勤務した後、料理教室を主宰。著書は『“メモみたいなレシピ”で作る家庭料理のレシピ帖』(主婦と生活社)。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです