(『天然生活』2021年8月号掲載)
毒出しに役立つハーブ
ダンデライオン
西洋タンポポの根っこのことで、利尿作用が高いハーブ。
腸内にたまった老廃物にゆるやかに働きかけ、消化を促して毒素を排出してくれる。
炒ったものは、コーヒー代わりのカフェインレス飲料としておなじみの「タンポポコーヒー」。肝臓を強くする働きもある。
お手当て方法:飲む
根っこを煎じたものをハーブティーで飲む。タンポポコーヒーでも可。毎日飲んでよいが、飲みつづけることで耐性がつき効果が薄れる場合があるので注意したい。
バードック
ごぼうのこと。日本では食用としてなじみ深いが、実は食べるのは世界でも珍しい例。
皮ごと乾燥させたものをハーブティーとして飲むのが一般的で、利尿作用が高いためむくみと便秘解消に効果が期待できる。食物繊維も併せて摂りたいなら食べるのがおすすめ。
お手当て方法:飲む・食べる
ハーブティーで飲むか、ごぼう料理にして食べる。日常的に摂取することが望ましいので、毎日食後にお茶を飲むなどを習慣化するとよい。有効成分が含まれる皮を落とさないこと。
ネトル
利尿作用が高く、鉄分、ミネラルを豊富に含むハーブ。
体内で鉄をつくるために必須の成分であるクロロフィルを生成する働きがあり、血をきれいにする。
冬にため込んだ毒素を排出してくれるので、春先くらいから摂取するとよい。花粉症予防にも。
お手当て方法:飲む
ハーブティー、サプリメントで飲む。独特のにおいと味があり、クセの強いもののほうがより効果的。毎日飲んでよいが、飲みつづけることで耐性がつき効果が薄れる場合がある。
ハーブのお手当て、まず試したいのは「飲む」こと
ハーブのお手当てには主ニ4つ【飲む・塗る・香る・食べる】のやり方がありますが、まず最初に試したいのは「飲む」こと。とりわけ温かいハーブティーがおすすめだそう。
「消化器系を温めるので、有効成分をしっかり吸収させることができるんです。いまは市販のティーバッグでもさまざまなものが売られているので、香りや効能をチェックして、気になるものから試してみてください。単体の乾燥ハーブを使う場合は、200mLのお湯に小さじ2〜3杯の茶葉でつくること。一煎目のお茶にすべての成分が溶け込んでいるので、日本茶や中国茶のように二煎目、三煎目と飲むのはNGです」
たしかに、ノンカフェインのハーブティーなら暮らしに取り入れやすそう。ほっとひと息つきたいときに、体調のケアをしながらティータイムが楽しめるなんて理想的かもしれません。
「ハーブの効能って1日、2日程度ではわかりにくいんです。数週間や数カ月と長期的に気長に続けてほしいですね。そしてよくなったらすぱっとやめる。ハーブは自分の体本来の力を整えてくれるので、その力が戻ってくれば、お休みして大丈夫。自分の不調を自分で手当てできる、心と体両方のお守り。それが私にとっての植物療法なんです」
お手当てにハーブを使う際の注意点
個人差があります
植物の作用や効用は個人によって異なります。また季節や体調などの環境の変化によって、同じ人が使っても反応に差が出る場合があります。
子どもや高齢者は分量を減らしましょう
ここで紹介したお手当て法は、健康な成人を対象としています。子どもや高齢者に使う場合は体調を見極めながら、分量を減らすなど工夫してください。
妊娠中は医師に相談しましょう
妊娠中、あるいは妊娠の可能性がある人が使う場合、注意が必要なハーブがあります。ふだんは問題ないものでも体の変化が大きい妊娠時にはまず医師に確認を。
無農薬のハーブがおすすめです
できれば無農薬のハーブを使うのがおすすめ。気になるときは重曹水に30分ひたし、よく洗い流しましょう。
精油を使うときはパッチテストを
精油を使用する際は事前に必ずパッチテストを行うこと。ごく少量をキャリアオイルで希釈して肌の柔らかい部分に塗り、12〜24時間、かゆみや赤みが出ないか様子をみます。
〈監修/南上夕佳 イラスト/はまだなぎさ 取材・文/片田理恵〉
南上夕佳(なんじょう・ゆか)
植物療法士。ルボア フィトテラピースクール副代表。ホルモンバランスをくずしたことをきっかけに植物療法と出合い、日本における第一人者である森田敦子氏に師事。自身の経験を生かし、女性のライフスタイルに合わせたさまざまな療法を広めている。著書に『自然ぐすり生活』(ワニブックス)がある。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです