• 体と心のプチ不調を植物を使って整える「植物療法フィトテラピー」。手に入りやすい身近なハーブでできるお手当て法を、南上夕佳さんに聞きました。肌のケアにおすすめのハーブ3つとお手当て方法を紹介します。
    (『天然生活』2021年8月号掲載)

    肌のケアにおすすめのハーブ

    ローズヒップ

    画像: ローズヒップ

    美肌効果を求める人におすすめのハーブ。

    ビタミンC・P・Eを多く含み、シミやくすみ、そばかすの原因となる活性酸素を除去する働きがある。

    またローズヒップの実は「ビタミンの爆弾」といわれ、実まで丸ごと摂取することで最大の効果が引き出される。

    お手当て方法:飲む・食べる

    ハーブティーで飲む。乾燥果実を使ってお茶を淹れる場合は、抽出後にティーポットに残った実を食べることでさらに効果が得られる。酸味が強いのではちみつを加えたり、ジャムにも。

    ゴツコラ

    画像: ゴツコラ

    WHOが「21世紀に残したいハーブ」として認めたハーブ。

    体の内側から働きかけて肌をすこやかに整えてくれる。弾力とハリを維持する効果があり、小ジワ・ニキビ・肌荒れの予防と解消におすすめ。傷口を早く治す効果も。

    韓国発で人気のシカクリームもゴツコラが主成分。

    お手当て方法:飲む・塗る

    ハーブティーで飲むか、精油でボディケアをする。肌に塗る場合はキャリアオイルで希釈して使うこと。成分を配合した市販のクリームやオイルを選んでも効果がある。

    フランキンセンス

    画像: フランキンセンス

    細胞の成長を助けるハーブで、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)を促進してくれる。

    鎮静作用や抗炎症作用をもつ成分を豊富に含んでいるため、乾燥やエイジングが気になる肌のケアにおすすめ。潤いやハリを与えてくれるため、妊娠線の予防にも。

    お手当て方法:塗る

    精油でフェイスケアをする。精油をキャリアオイルで希釈して使うほか、成分を配合した市販のものを選んでも。ひと通りスキンケアを終えたあとの顔のマッサージに使うとよい。

    ハーブのお手当て、まず試したいのは「飲む」こと

    ハーブのお手当てには主ニ4つ【飲む・塗る・香る・食べる】のやり方がありますが、まず最初に試したいのは「飲む」こと。とりわけ温かいハーブティーがおすすめだそう。

    「消化器系を温めるので、有効成分をしっかり吸収させることができるんです。いまは市販のティーバッグでもさまざまなものが売られているので、香りや効能をチェックして、気になるものから試してみてください。単体の乾燥ハーブを使う場合は、200mLのお湯に小さじ2〜3杯の茶葉でつくること。一煎目のお茶にすべての成分が溶け込んでいるので、日本茶や中国茶のように二煎目、三煎目と飲むのはNGです」

    たしかに、ノンカフェインのハーブティーなら暮らしに取り入れやすそう。ほっとひと息つきたいときに、体調のケアをしながらティータイムが楽しめるなんて理想的かもしれません。

    「ハーブの効能って1日、2日程度ではわかりにくいんです。数週間や数カ月と長期的に気長に続けてほしいですね。そしてよくなったらすぱっとやめる。ハーブは自分の体本来の力を整えてくれるので、その力が戻ってくれば、お休みして大丈夫。自分の不調を自分で手当てできる、心と体両方のお守り。それが私にとっての植物療法なんです」

    お手当てにハーブを使う際の注意点

    画像1: お手当てにハーブを使う際の注意点

    個人差があります

    植物の作用や効用は個人によって異なります。また季節や体調などの環境の変化によって、同じ人が使っても反応に差が出る場合があります。

    子どもや高齢者は分量を減らしましょう

    ここで紹介したお手当て法は、健康な成人を対象としています。子どもや高齢者に使う場合は体調を見極めながら、分量を減らすなど工夫してください。

    妊娠中は医師に相談しましょう

    妊娠中、あるいは妊娠の可能性がある人が使う場合、注意が必要なハーブがあります。ふだんは問題ないものでも体の変化が大きい妊娠時にはまず医師に確認を。

    無農薬のハーブがおすすめです

    できれば無農薬のハーブを使うのがおすすめ。気になるときは重曹水に30分ひたし、よく洗い流しましょう。

    精油を使うときはパッチテストを

    精油を使用する際は事前に必ずパッチテストを行うこと。ごく少量をキャリアオイルで希釈して肌の柔らかい部分に塗り、12〜24時間、かゆみや赤みが出ないか様子をみます。



    〈監修/南上夕佳 イラスト/はまだなぎさ 取材・文/片田理恵〉

    画像2: お手当てにハーブを使う際の注意点

    南上夕佳(なんじょう・ゆか)
    植物療法士。ルボア フィトテラピースクール副代表。ホルモンバランスをくずしたことをきっかけに植物療法と出合い、日本における第一人者である森田敦子氏に師事。自身の経験を生かし、女性のライフスタイルに合わせたさまざまな療法を広めている。著書に『自然ぐすり生活』(ワニブックス)がある。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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