• 体と心のプチ不調を植物を使って整える植物療法フィトテラピー」。手に入りやすい身近なハーブでできるお手当て法を、南上夕佳さんに聞きました。自律神経を整えるハーブ3つとお手当て方法を紹介します。
    (『天然生活』2021年8月号掲載)

    自律神経を整えるハーブ

    ヒノキ

    画像: ヒノキ

    高ぶった気持ちを鎮静させ、心身をリラックスさせるハーブ。

    交感神経が優位な人におすすめ。眠る前に使うことで入眠しやすい効果がある。

    ヒノキ風呂や神社仏閣を思わせる木の香りは、まるで森林の中にいるようで、日本人になじみやすいのも特徴。

    お手当て方法:香る

    精油で芳香浴をする。ディフューザーを使って焚くか、湯を張った浴槽に精油の入ったバスソルトを入れて使用。交感神経が優位な人におすすめで、就寝前に使用するとよい。

    ラベンダー

    画像: ラベンダー

    リラックス効果が高いハーブで、交感神経の興奮を鎮める成分が豊富。

    精油はパッチテストが必要なものの、原液を肌に直接つけることができる。

    殺菌力や鎮静作用、皮膚再生力などさまざまな効力をもつ。手に入りやすいので、精油の最初の1本として持っておくと心強い。

    お手当て方法:香る

    ヒノキと同様に使うほか、キャリアオイルで希釈した精油で肌をマッサージしたり、こめかみに塗り込むのもおすすめ。体のケアをしながら、香りも同時に取り入れることができる。

    イランイラン

    画像: イランイラン

    ヒノキ、ラベンダーとは逆に、副交感神経が優位な人におすすめのハーブ。

    だらだらしてしまうときに気持ちを上向きにさせ、活力を補ってくれる働きがある。

    起床時に使うことで、スムーズに家事や仕事、子育てなどに取り組める効果も。オリエンタルで濃厚な香り。

    お手当て方法:香る

    精油で芳香浴をする。ディフューザーを使って焚くか、湯を張った浴槽に精油の入ったバスソルトを入れて使用。副交感神経が優位の人におすすめで、起床後に使用するとよい。

    ハーブは心と体、両方のお守り

    ハーブのお手当てには主ニ4つ【飲む・塗る・香る・食べる】のやり方がありますが、まず最初に試したいのは「飲む」こと。とりわけ温かいハーブティーがおすすめだそう。

    「ハーブの効能って1日、2日程度ではわかりにくいんです。数週間や数カ月と長期的に気長に続けてほしいですね。そしてよくなったらすぱっとやめる。ハーブは自分の体本来の力を整えてくれるので、その力が戻ってくれば、お休みして大丈夫。自分の不調を自分で手当てできる、心と体両方のお守り。それが私にとっての植物療法なんです」

    お手当てにハーブを使う際の注意点

    画像1: お手当てにハーブを使う際の注意点

    個人差があります

    植物の作用や効用は個人によって異なります。また季節や体調などの環境の変化によって、同じ人が使っても反応に差が出る場合があります。

    子どもや高齢者は分量を減らしましょう

    ここで紹介したお手当て法は、健康な成人を対象としています。子どもや高齢者に使う場合は体調を見極めながら、分量を減らすなど工夫してください。

    妊娠中は医師に相談しましょう

    妊娠中、あるいは妊娠の可能性がある人が使う場合、注意が必要なハーブがあります。ふだんは問題ないものでも体の変化が大きい妊娠時にはまず医師に確認を。

    無農薬のハーブがおすすめです

    できれば無農薬のハーブを使うのがおすすめ。気になるときは重曹水に30分ひたし、よく洗い流しましょう。

    精油を使うときはパッチテストを

    精油を使用する際は事前に必ずパッチテストを行うこと。ごく少量をキャリアオイルで希釈して肌の柔らかい部分に塗り、12〜24時間、かゆみや赤みが出ないか様子をみます。



    〈監修/南上夕佳 イラスト/はまだなぎさ 取材・文/片田理恵〉

    画像2: お手当てにハーブを使う際の注意点

    南上夕佳(なんじょう・ゆか)
    植物療法士。ルボア フィトテラピースクール副代表。ホルモンバランスをくずしたことをきっかけに植物療法と出合い、日本における第一人者である森田敦子氏に師事。自身の経験を生かし、女性のライフスタイルに合わせたさまざまな療法を広めている。著書に『自然ぐすり生活』(ワニブックス)がある。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



    This article is a sponsored article by
    ''.