• 痛みもかゆみもなく進行し、気付かぬうちに視野が欠けていく病気「緑内障」。その多くが原因不明の原発緑内障です。緑内障の進行をとめるために大切な習慣は、正しい点眼を毎日続けること。真鍋眼科院長で緑内障専門医の真鍋佑介さんに、効果が6倍になる、正しい目薬のさし方について教わりました。
    (『専門名医が教える!緑内障に効くたった2つの習慣』より)

    緑内障をとめる習慣

    緑内障治療で唯一エビデンスがあるのは眼圧の下降です。無治療状態での眼圧から30%下げることで、緑内障の進行を食いとめられると報告されています。

    緑内障は手術をすれば治るものではありません。正しい点眼を毎日続けることが、どんな生活習慣にも勝る、緑内障をとめるための習慣なのです。

    正しい目薬のさし方を覚えて目に効果的な点眼を行おう

    目薬による治療を行うとき、当たり前のことですが目薬は目の表面に当たらないと効果が出ません。

    点眼治療を行っているのに眼圧が下がっていない、ということがよくあるのですが、目薬が効いていないのではなく、正しく目薬をさせていない場合があります。

    目薬をさしても目から外れたところに当たってしまっていたり、目から流れ出てしまっていることがあります。そうすると、目薬の効果が発揮されません。

    目薬をきちんと使えている人と使えていない人とでは、緑内障の視野進行は6倍違ったという報告もあるぐらいです。

    ここでは正しい目薬のさし方を解説していきます。

    基本的な目薬のさし方

    手を洗います

    画像1: 「緑内障」の進行をとめる、正しい目薬のさし方。効果は“6倍”の差にも/真鍋佑介さん(真鍋眼科院長・緑内障専門医)
    画像2: 「緑内障」の進行をとめる、正しい目薬のさし方。効果は“6倍”の差にも/真鍋佑介さん(真鍋眼科院長・緑内障専門医)

    眼球はデリケートな部位です。指が粘膜に触れるため、必ず手を洗ってきれいにしましょう。

    下瞼(かげん)下垂法

    画像: 下瞼(かげん)下垂法

    下まぶただけを軽く引いて「アッカンベー」をするように目を開く方法です。

    下まぶたには結膜嚢という部分があり、下まぶたを引いた部分に目薬が入れば目全体に薬の成分が行き届きます。

    げんこつ法

    画像1: げんこつ法

    片方の手で目薬をさす手を支えるので、点眼する際のブレを減らせる方法です。

    目薬を持っていないほうの手は親指を中に握りこむようにしてげんこつを作ります。

    画像2: げんこつ法
    画像3: げんこつ法

    目の下に当ててまぶたを下に軽く引きます。げんこつに目薬を持つ手をのせて、点眼します。

    目薬をさしたら

    まぶたを閉じ、あふれた薬液を拭き取る

    画像: まぶたを閉じ、あふれた薬液を拭き取る

    ガーゼやティッシュなど清潔なもので軽く拭き取ってください。

    このとき、 瞬きをしないようにしてください。

    目頭を押さえて1分間待つ

    画像: 目頭を押さえて1分間待つ

    目薬をさしたあとは、眼球の表面に薬が留まっていないと効果は出ません。

    点眼後にあふれた薬液を拭き取ったあとは軽く目を閉じ、目頭を押さえて1分間ほど待ちましょう。



    <監修/真鍋 佑介 イラスト/森崎達也(株式会社ウエイド)>

    真鍋 佑介(まなべ・ゆうすけ)
    真鍋眼科・真鍋婦人科院長。「近視予防を広めたい」という意思から眼科医を志し、2015年から岐阜大学病院の眼科医として分野を問わず診療を行う。のちに緑内障専門医として診療と研究に従事。2021年から真鍋眼科・真鍋婦人科に勤務。なんでも相談できる「かかりつけ医」をモットーに患者を支えている。

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    専門名医が教える!緑内障に効くたった2つの習慣 (扶桑社ムック)

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