梨の薬膳的効能ついて
水分たっぷりの梨は、肺を潤し、渇きをいやし、のどの炎症や渇いた咳などに薬効があるとされます。体の余分な熱を取って冷やす性質のため、残暑の厳しい時季に食べるのに最適です。
また、酒毒を取るとされ、二日酔いの解消にも有効です。
キムチにすれば、生きた植物性乳酸菌がとれるので、腸内環境を整える効果も期待できます。
【発酵食】梨の白キムチのつくり方
とうがらしがたっぷり入ったおなじみのキムチと違って、水キムチは辛味が少なく、漬け液が澄んでいる白いキムチ。
梨や野菜、そして米のとぎ汁に含まれる糖分をエサにして、乳酸菌が繁殖することで乳酸発酵し、穏やかな酸味とうま味たっぷりの漬物になります。
さっぱりとした味わいと涼やかな見た目は暑い日にぴったり。一般的なキムチと違って熟成期間が短く、手軽につくれるのも魅力です。
ここでは梨ときゅうりを合わせていますが、にんじんやパプリカ、セロリなど、好みの野菜にアレンジしても。漬けた液もおいしいので、私は骨付きの鶏肉と一緒にスープにしたり、冷やしたそうめんの汁としてよく利用しています。
材料(つくりやすい分量)
● 梨 | 1個 |
● きゅうり | 1本 |
● にんにく | 1片 |
● しょうが | 1/2片 |
● 赤とうがらし | 1本 |
● 米のとぎ汁 | 2カップ |
● 塩 | 12g(米のとぎ汁の3%) |
● 米酢 | 大さじ1/2 |
つくり方
1 梨は皮をむいて4等分にし、いちょう切りにする。きゅうりは4cm長さに切り、太いものは縦半分にする。赤とうがらしは種をとって半分にちぎる。にんにくは薄切り、しょうがは皮をむいてせん切りにする。
2 鍋に米の研ぎ汁と塩を入れて中火にかけ、ひと煮立ちしたら火を止めて冷ます。
3 熱湯消毒した容器に2と1、米酢を入れ、常温で1日おく。冷蔵庫に移し、好みの酸味になったら食べられる。
※冷蔵庫で10日ほど保存可能。
※ゆでたそうめんを皿に盛り、梨の白キムチをのせる。煮干しだしと合わせた梨の白キムチの汁をかけて、薬味を散らしていただく。
〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉
山田奈美(やまだ・なみ)
「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『いつもの食材と調味料で 体が整うごはん』(ナツメ社)、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)、『二十四節気のお味噌汁』(WAVE出版)などがある。
インスタグラム:@nami_yamada.tabegoto
YouTube:「山田奈美の発酵暮らし」