服をつくり始め、やがてネットショップで販売するように
前回は私がどうして洋服ブランドを手掛けるようになったのか、そのきっかけや背景をお伝えしました。
今回は、私が子ども服に加え大人服もつくるようになり、やがてネットショップでの販売をスタートした経緯をお話してみたいと思います。
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「着てみたい!」からスタートした服づくり
いまから16年前にスタートした手づくり服の仕事。
最初の数年は年間1,000着を超えるペースで子ども服を世に送り出していました。それが、まもなく、子ども服を愛用してくださっている方や私の洋服ブランドを知ってくださっている方々のリクエストにお応えするかたちで、大人服もつくり始めることに。
私の洋服づくりは、まずデザインありき。「こんな洋服が着てみたいな」というデザインを思いつくと、洋裁学校の専門書を読みこんで製図の仕方、縫い方を探求。その積み重ねで、大人服のつくり方を少しずつ身に着けていきました。
試作品をつくったら、自分自身で着てその着心地を確かめるのはもちろん、家族や友人にもフィッティングしてもらい、1枚ずつ形にしていく、その繰り返しです。
そんなふうに自己流で進めてきたこともあり、自分でも満足のいく着心地に近づけたのは、実は洋服づくりをスタートして10年を超えてから。
けれど、そんな初期の段階の試作品でも、ブログにアップすると「欲しい!」といってくださるお客様がいらっしゃり、うれしかったですね。
こわごわお届けすると「とても素敵です!」と写真付きでご感想をいただくこともあり、大人服のデザインも少しずつ増えていきました。
ありがたいことに16年目のいまも、その当時から引き続きFU-KOの洋服をお求めくださる方もおられて、そんな心温かな皆さまに私の作家生活は支えられてきたのだなあ、と感慨深く思います。
〈写真・イラスト・文/美濃羽まゆみ 構成/山形恭子〉
美濃羽まゆみ(みのわ・まゆみ)
服飾作家・手づくり暮らし研究家。京町家で夫、長女ゴン(2007年生まれ)、長男まめぴー(2013年生まれ)、猫2匹と暮らす。細身で肌が敏感な長女に合う服が見つからず、子ども服をつくりはじめたことが服飾作家としてのスタートに。
現在は洋服制作のほか、メディアへの出演、洋裁学校の講師、ブログやYouTubeでの発信、子どもたちの居場所「くらら庵」の運営参加など、多方面で活躍。著書に『「めんどう」を楽しむ衣食住のレシピノート』(主婦と生活社)amazonで見る 、『FU-KO basics. 感じのいい、大人服』(日本ヴォーグ社)amazonで見る など。
ブログ:https://fukohm.exblog.jp/
インスタグラム:@minowa_mayumi
voicy:FU-KOなまいにちラジオ