(『天然生活』2020年2月号掲載)
夜の時間をごほうびに。お手当そのものを楽しんで
太陽が出ている間は、意識も体も活性化し、私たちは知らず知らずのうちに緊張感にさらされています。
そして迎える、月の出る時間。本来はじっくり休む時間のはずなのに、つい、昼間と同じ感覚で過ごしてしまいがち。休む間もないまま翌日を迎えたのでは、意識も体も、擦り切れてしまいます。
「体を活発に動かす交感神経が、リラックスモードの副交感神経に切り替わるのが、まさに月の出るころ。ここでどう自分と向き合うかで今後の体調が変わってきます」
こんなふうに、月の出る時間のお手当ての重要性について話してくれたのは、“ハーブで体をいたわる”をテーマにしたお店「マヒナファーマシー」を営む中山晶子さん。
ショップでは自然由来の、セルフケアアイテムを多く扱っています。ちなみに“マヒナ”とはハワイ語で“月”を意味します。
大切なのは深くリラックスすること。自分が心地よいと感じる香りを深く吸い込み、お手当てそのものを楽しめる時間をもつこと。夜の時間を、ごほうびと思えるようにするのです。
自然の力を借りて、穏やかに体質改善
「そこでおすすめなのが、ハーブを使ったお手当て。ハーブにはそれぞれに多くの効能があるので、難しく感じる人も多いかもしれませんが、たいていのハーブには自律神経をチューニングする作用があり、体から余計なものを出そうとする効果もあります。
疲れをとるのに必要なのは、神経を鎮めることと、体内の滞りを解消して、めぐりをよくすること。ドライハーブやオイルであれば効き目は穏やかですから、まずは好きな香りを見つけ、毎晩楽しみながら、始めてください」
中山さんの夜のお手当て
疲れた心身を鎮めるドリンクでひと息
昼間から引きずっている高ぶった気持ちを、温かい飲み物をゆっくりと摂取することで穏やかに鎮めます。カフェインの入ったものではなく、ハーブが香るやさしい成分のものを。
「市販のハーブティーは数種類をブレンドしたものが多いのですが、私は個々のハーブの香りを楽しみたいので1種類だけを使っています。ラテには、はちみつやきび砂糖を加えてもいいですよ」
ラベンダーティー
お茶という濃さではなく、ラベンダーの風味がついた白湯のイメージ。白湯400mLほどにドライラベンダー小さじ1をもみながら加え3分抽出。
カモミールラテ
湯200mLにドライカモミールをふたつまみ入れ、ひと煮立ちさせ、火を止めて3分抽出。豆乳400mLを加えて温め、こして頂く。
〈撮影/山川修一 取材・文/福山雅美 構成/鈴木麻子〉
中山晶子(なかやま・あきこ)
月とハーブと暮らしのお店「マヒナファーマシー」店主。ハーブや植物のオリジナルプロダクツを中心に、雑貨や食品も扱う。ワークショップなども定期的に開催。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです