• 健康な体づくりに欠かせないのが「血流」です。そこで「血流を改善すれば不調の9割を改善できる」と話す整体師の塚田真也先生が、家で簡単にすぐできる「血流1分エクササイズ」を指南。今回は、座ったまま・寝たままできる5つのエクササイズを紹介します。血流をアップして元気な体を手に入れましょう。

    血流改善のカギは“1分運動”の継続

    私たちの体には総延長10万kmもの血管が張りめぐらされています。

    血管は全身の細胞のすみずみに酸素や栄養を運び、老廃物を回収。そんな血液の流れが滞る原因は主に3つあります。

    「ひとつは、体の末端まで血液を運ぶ毛細血管が加齢で減少すること。60~70代になると4割もの毛細血管が消滅するといわれています。ふたつめが加齢で筋肉が減ることで、下半身にたまった血液を上半身に押し戻す働きが鈍くなってしまうこと。そして、3つめは血液がドロドロになることで、血管内に付着する老廃物。血管の壁が厚く硬くなってしまい、血液がスムーズに流れなくなります」

    そこで健康な血管を保って血流をよくするために大切なのが、適度な運動・食事・睡眠です。

    「とくに運動は、少しでもいいので毎日続けることが重要です。運動することで血管に刺激を与えて活性化し、筋肉量が減るのを防ぐことができます。また、糖質を控えた食事で血液をサラサラにする、質のよい睡眠で自律神経を整えることも、日頃から心がけるようにしたいですね」

    1分間エクササイズの注意点

    ● 毎日やらなくていいので、まずは3週間を目標に
    ● やさしく、ゆっくり、弱くやる
    ● 疲れたと感じたら1分未満でも止める
    ● 全部やってみて、自分に合うものを続ける

    座ったままできる血流改善エクササイズ 01
    座って足首回し

    画像: 座ったままできる血流改善エクササイズ 01 座って足首回し

    ラクな姿勢で足首を大きく回すことで足先の血流をアップ。

    力を入れて乱暴に回すと力が入って効果が落ちるので、やさしくゆったり回しながら足首をほぐすイメージでやるようにしましょう。

    寒いときは足が冷えないように、靴下を履いたままで行いましょう。

    「座って足首回し」のやり方
    椅子に座って片脚を太ももに乗せ、同じ側の手で足首を軽く押さえる。反対の手で足先をつかんで足をグルグル回す。これを30秒ずつ両方の足で行う。

    座ったままできる血流改善エクササイズ 02
    ふくらはぎ血流マッサージ

    画像: 座ったままできる血流改善エクササイズ 02 ふくらはぎ血流マッサージ

    足の冷えが気になる人におすすめのエクササイズ。

    ふくらはぎを力まかせにぎゅうぎゅうもむのではなく、さするくらいの軽い力で刺激を与えます。

    それだけで筋肉のコリがほぐれて血流がスムーズに流れるようになり、足の冷えが改善します。

     片脚だけあぐらをかくように曲げ、もう片脚は伸ばして床に座って、両手で三角形の形をつくる。

     両手を三角形の形にしたまま、足首からふくらはぎをひざの内側あたりまで、30秒かけてもみほぐしていく。これを反対側のふくらはぎにも行う。

    寝たままできる血流改善エクササイズ 01
    布団でバンザイ

    画像: 寝たままできる血流改善エクササイズ 01 布団でバンザイ

    寝る前や朝起きたときに、体を「放射状」に思いっきり広げるだけで効果があります。1分間続けるだけで脳と腕の血流がよくなるので、ぜひ習慣にしたいエクササイズです。

    肩が痛い人は無理に腕を上げようとせず、横に大きく広げるだけで大丈夫です。

    「布団でバンザイ」のやり方
    寝たまま体の力を抜いて、両手を斜め上に大きく伸ばす。気持ちいいと感じるところで止めて1分伸ばしつづける。

    寝たままできる血流改善エクササイズ 02
    滝のポーズ

    画像: 寝たままできる血流改善エクササイズ 02 滝のポーズ

    重力の重みで下半身にたまっていた血液を上半身や心臓に戻すことで、体中の血のめぐりがよくなり全身の疲れを回復させる効果があります。

    最初はひざを曲げたままでもいいので、足がスムーズに上がるようになったらまっすぐ上げるようにします。

    「滝のポーズ」のやり方
    壁の近くで仰向けになり、両足を直角に上げて壁につける。両腕は力を抜き自然な位置に置きバランスを取り、1分間この姿勢をキープする。

    寝たままできる血流改善エクササイズ 03
    ひざ抱え大腰筋伸ばし

    画像: 寝たままできる血流改善エクササイズ 03 ひざ抱え大腰筋伸ばし

    背骨から足のつけ根にかけて伸びる筋肉を大腰筋といいます。腎臓の近くにある大腰筋が硬いと腎臓を圧迫し、血流が滞ることに。

    そこで、ひざを抱えたり伸ばしたりすることで大腰筋を伸縮させてゆるめます。足腰を強くする筋トレにもなります。

     布団の上で仰向けになり、両手で両ひざを抱えて30秒キープする。

     抱えていた両ひざをゆっくり伸ばして、頭からかかとまでの全身を布団にしっかりつける。を2回くり返す。

    血流と関係の深い「腎臓」のお話

    腎臓は体内の老廃物を運んできた血液をろ過してきれいにし、余分な老廃物を尿として排出するという重要な働きをします。

    「しかも、腎臓は毛細血管が集まってできている臓器なので、血管や血流の影響を直接的に受けやすいのです。そのため血管年齢が高いと必然的に腎臓年齢も高くなってしまいます」

    また、腎臓は不調が直接的な症状として現れにくいことにも注意が必要です。むくみやすい、腰が痛いときは、腎臓機能の低下が影響しているかもしれません。

    「腎臓は、背骨と脇腹の間の左右2カ所にあります。その辺りをやさしくマッサージすることで、腎臓周辺の筋肉がゆるみ血流の流れも活発になります。血流がよくなることで、腎臓の働きも活性化するので、不調を解消することができます」

    画像: 腎臓はこぶし大の大きさで、腰よりやや高い位置の背骨と脇腹の間に、左右2カ所ある

    腎臓はこぶし大の大きさで、腰よりやや高い位置の背骨と脇腹の間に、左右2カ所ある

    * * *

    『心と体が若返る小さな習慣』(扶桑社・刊)

    画像: “毎日1分”で血流を改善「座ったまま・寝たまま」血のめぐりをよくする、5つのエクササイズ/整体師・塚田真也さん

    amazonで見る



    〈監修/塚田真也 イラスト/須山奈津希 取材・文/工藤千秋〉

    塚田真也(つかた・しんや)
    柔道整復師・鍼灸師。等持院駅前整体院院長(京都市)。血流をよくする健康情報を発信するYouTube登録者は11万人を超える。著書に『1分で血流はよくなる!』(Gakken)がある。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



    This article is a sponsored article by
    ''.