• 日本の伝統食や、薬膳への造詣が深い、料理家の荒木典子さん。二十四節気ごとに体の調子をゆるやかにととのえてくれる養生スープを紹介していただきます。今回は「小雪」の時季に食べたい、えびと干ししいたけのかき玉スープのレシピです。

    <小雪(11月22日〜12月6日)>

    急に気温が低くなるころ

    北の方の雪の便りが届き始めます。

    冷えが強くなってきます。そして日照時間が減ってくるので、鬱々とした気分になりやすくなります。

    冬は「腎(じん)」の季節。寒さの影響で腎の働きが弱くなります。

    腎は成長などに深く関与する臓器でホルモンの分泌や体の水分調整をしています。

    元気に若々しくいるためには腎が安定していることが大切です。

    この時季はとにかく体を温めること

    早寝を心がけて穏やかにゆっくりと過ごすようにしましょう。

    太陽にあたることも効果的です。

    食事としては温かい食事が大前提ですが、腎を補うような黒い食材やタンパク質をしっかりとるといいでしょう。

    気や血の流れも悪くなるので、香りのいい柑橘や香りの強いハーブなどの野菜もとりましょう。

    えびと干ししいたけのかき玉スープをご紹介します。

    えびは体を温め、腎や気を補ってくれます。干ししいたけは気を補い腎の機能を高めます。卵は血を補い精神を安定させてくれます。くるみは腎を補います。材料(2人分)

    「えびと干ししいたけのかき玉スープ」のつくり方

    画像: 「えびと干ししいたけのかき玉スープ」のつくり方

    材料(2人分)

    画像: 材料(2人分)
    ● えび(殻付き)5〜6尾
    ● 干ししいたけ3枚
    ● くるみ4〜5個
    ● 卵1個
    ● 水500mL
    ● 薄口しょうゆ大さじ1
    ● ごま油大さじ1

    つくり方

     干ししいたけはさっと洗って分量の水につけてもどし(もどし汁はとっておく)、石付きを取り除いて細切りにする。えびは洗ってから殻をむいて食べやすい大きさに切る。殻はとっておく。くるみは粗く刻む。卵は溶きほぐす。

    画像: しいたけのもどし汁はとっておく

    しいたけのもどし汁はとっておく

     鍋を中火で熱してでとっておいたえびの殻を炒める。香ばしい香りがしてきたら、のしいたけのもどし汁を加えて沸騰させる。沸騰したら殻を取り除いてしいたけを加え、2分ほど煮る。

    画像: えびの殻を香りが立つまでから炒りする

    えびの殻を香りが立つまでから炒りする

    画像: しいたけのもどし汁を加える

    しいたけのもどし汁を加える

     のえびを加えて色が変わり、再度スープが沸騰してきたら、の卵を回し入れて入れてざっと混ぜる。

     薄口しょうゆを加えて味をととのえる。器に盛ってのくるみを散らす。



    荒木 典子(あらき・のりこ)
    料理家。国際中医薬膳師。青果卸を営んでいた料理上手の祖母と、母の影響で食に関心のある環境で育つ。神戸女学院大学文学部を卒業してフランスへ留学し、帰国後調理師学校にて料理の基礎を学び、調理師免許を取得。その後、上京して料理本の編集者として働いたのち、2007年に料理家として独立。
    現在は書籍やテレビの仕事を中心に、企業へのレシピ提供、料理店の監修などの仕事とともに、和食のお料理教室を主催。季節のていねいでシンプルな料理をモットーに、家庭でできる日本料理と洋食などレシピを提案する。また、おせち料理をライフワークとし、ほかにお雑煮の会を主催。著書に『いちばんくわしい 基本のおせち料理』『炊き込みごはん』(ともに成美堂出版)などがある。
    インスタグラム:@aranoric

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    『いちばんくわしい 基本のおせち料理』(荒木典子・著/成美堂出版)

    『いちばんくわしい 基本のおせち料理』(荒木典子・著/成美堂出版)

    画像: えびと干ししいたけのかき玉スープ<小雪>|暦と体に寄り添う、旬の養生スープ/荒木典子

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