(『天然生活』2021年6月号掲載)
生地を仕込み、冷凍して、パンづくりを段取りよく
今回、高橋雅子さんが教えてくれたのは、少量ずつ焼ける、日常に寄り添う手づくりパン。
「わが家では、週末のつくりおきのついでにパン生地も仕込んで冷凍するのが、長年の習慣。発酵やベンチタイムなど、パンづくりって何かと待ち時間が多いですよね。でも冷凍生地さえあれば、食事の準備の合間に丸めたり焼いたりできて、一からつくるよりも段取りよくこなせますよ」
食べる際に必要な量だけ解凍して、好みの具をのせたり、包んだり。食事のパンにも、ドーナツなどのおやつにも活用できます。
「はじめてパンづくりに挑戦するなら、計量は正確に。また、あらかじめ時間配分を考えておくとスムーズだと思います。ベンチタイムの15分にはコーヒーでひと息ついたり、発酵を待つ間に読書をしたり。そんな時間の流れも含めて、楽しんでつくってくださいね」
しっとりやわらかな生地に触れて心がいやされ、オーブンに入れれば部屋の中が焼きたての香りに包まれる……。
手づくりパンは、毎日の幸せを運んでくれそうです。
工程写真つき・基本の「丸パン」のつくり方
生地を手でこね、休ませて発酵。その生地を小分けにして冷凍し、ストックしておくことで、段取りよくパンづくりができます。
材料(6個分)
● 強力粉 | 200g |
● 薄力粉 | 50g |
● きび砂糖* | 25g |
● 塩 | 4g |
● インスタントドライイースト | 小さじ1/2(1.5g) |
● 牛乳 | 175g |
● バター(食塩不使用) | 20g |
● 打ち粉(米粉または強力粉) | 適量 |
*上白糖などでもよい |
準備
バターは1cm角に切り、室温にもどしておく。
Step1 こねる
1 牛乳を電子レンジ(600W)に30秒かけて、30℃程度に温める。大きなボウルにバター以外の材料を入れる。
2 カードで大きく全体を混ぜ、水分と粉を合わせていく。粉っぽさがなくなったら、台に出す。
3 手の付け根で生地を引きのばし、カードで手前によせてまとめる。これを7~8分繰り返す。
4 こねて小麦粉のグルテンが形成されると、生地がなめらかになり、まとまってくる。
5 生地の上にバターをのせる。カードで生地をよせてバターを包むようにする。
6 バターをつぶしながら引きのばしてはまとめて、生地に混ぜ込む。バターが完全に混ざって見えなくなるまで3分ほどこねる。
Step2 一次発酵
7 全体を丸くまとめて、中サイズのボウルに入れる。乾かないようにラップをかけて、オーブンの発酵機能などを使って30℃の場所に1時間30分おく。
8 生地が2倍くらいに膨らんだら一次発酵完了。ボウルの内側に沿ってカードを一周させて、台に取り出す。
* * *
〈料理/高橋雅子 撮影/林 紘輝 スタイリング/竹内万貴 構成・文/河合知子〉
高橋雅子(たかはし・まさこ)
東京・代々木上原にあるパンとワインの教室「わいんのある12ヶ月」主宰。大手パン教室のアシスタントを経て独立。おいしい手づくりパンのある日常を提案し、家庭でつくりやすく日々に寄り添うレシピを考案している。大の食いしん坊で、料理のレシピ本も多数出版。著書に『冷凍生地で焼きたてパン』(扶桑社)など。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです