砂糖だけでは出せないコクと香りが加わる「甘酒」

「そのまま飲むのもいいですが、甘酒はお菓子に使ってもおいしいですよ」と高吉さん。

じっくりと発酵させた甘味は、ほかの食材の持ち味をじゃますることなく、控えめでありながらも、コクと香りが加わります。

「火を入れると甘酒特有の味と香りはやや薄れてしまうのですが、チーズのような発酵の香りがふんわりと残ります。砂糖だけでは出せない、甘酒ならではの味わいになるところがいいですね」

甘酒を使って
甘酒スコーンのつくり方

ザクザクッとした粉のおいしさを味わえるスコーン。

甘酒の甘味を生かしつつ、生クリームを加えてコクのある味わいに仕上げます。

材料（長さ約6.5cmの三角形6個分）

※乳脂肪分47％の生クリームが手に入らない場合はまず100gでつくり、手順３でまとまりにくい場合、生クリームを少しずつ足す。

今回使用した甘酒
国産 白米あま酒

甘酒はアルコールを含まない米麹でつくられたタイプがおすすめ。

下準備

・天板にオーブンペーパーを敷く。

・オーブンを180℃に予熱する。

つくり方

１　ボウルにAの材料を合わせてふるい入れ、プラスチックカードで全体を混ぜる。

２　生クリームを調節用に少し残して加え、甘酒も加える。カードで切るようにさっくりと混ぜる。

３　ときどき底から返したり、カードで押さえたりして混ぜ、全体がしっとりしたらひとつにまとめる。まとまりにくければ、２で残した生クリームを加える。

４　作業台に移し、直径約11cmの円形に整える。

５　包丁で放射状に6等分に切って天板に並べ、180℃のオーブンに入れて20～22分焼く。

〈料理／高吉洋江　撮影／川村 隆　スタイリング／荻野玲子　取材・文／結城 歩〉

高吉洋江（たかよし・ひろえ）
アフタヌーンティー・ティールームにて商品開発を行う。退社後、2005年よりお菓子教室を主宰。著書に『お菓子教室tiroir 最愛の焼き菓子』（家の光協会）など。

※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです