(『天然生活』2023年5月号掲載)
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
「五感が喜ぶこと」を重ねて、朝時間を心地よく
朝9時からの生放送を10年以上担当していた経験もあり、早起きが苦ではないタイプというクリスさん。
11歳になる息子さんのお弁当づくりや送り出し、週4日間のラジオの生放送本番や美術展、個展などへ足を運ぶ関係で、住まいのある鎌倉から東京へ出勤と、あわただしい日々を送っています。
「でも忙しいからこそ流されるのではなく、自分が主導権をもって生活をしたい。そのためには、常に自分の感覚を大切にして、五感が喜ぶことを組み入れていく。朝時間の過ごし方では、そんなことを心がけるようにしています」
クリス智子さんの「朝の時間割」
05:40 起床。カーテンを開け、ラジオをつける
06:00 息子を起こす。お弁当と朝食づくり
07:00 息子を駅まで車で送る
07:30 キッチンの片づけ、夕食の仕込み、ごみ出し、庭の水やり、メールチェックなど
08:00 入浴とマッサージ。身支度、洗濯など
08:40 朝食
09:00 その日の生放送の原稿チェック、本や資料読みなど
09:30 仕事に出発
05:40|カーテンを開け、ラジオをつける
豊かな緑に囲まれて暮らすクリスさん。
鳥の声を聴き、日光を感じながら、自分の体を新しい一日になじませていくように、住まう一軒家もカーテンを開け、音を流すことによって起動させていきます。
「毎日繰り返すことで、だんだんと日が長くなってきたな、庭の花が咲き始めたな……と、自然に季節の移り変わりを感じられます」
06:00|お弁当と朝食づくり
体が目覚めてきたら、水を500mLほど飲みながら、息子さんのお弁当と朝食づくりを開始。
「早朝は家事や息子の世話などをしていて、常にバタバタ。せめて水分は意識して摂るように。お弁当もとくに凝った料理はつくらず、心がけているのは『わが家の味を』ということぐらい。日々刺激のあるなか、お弁当でホッとできるように」
07:30|キッチンの片づけ、夕食の仕込み
息子さんを近くの駅まで送ったあと、帰宅して、片づけと簡単な夕食の仕込みを。
どんな料理が食べたいかは、そのときにならないとわからないので、味つけまでは行わない。
「野菜を切る、肉をさっと煮ておくなど、あとからアレンジが効くようにしておきます。未来の自分のために、料理のベースをつくっておく感じです」
07:45|植物の水替えと庭の水やり
「暮らしに植物は欠かせない。ないとさびしくなっちゃいます」というクリスさん。
部屋の中には観葉植物や切り花が常に飾られており、庭に育つ草木とともに、朝の早い時間帯のうちに水替えや水やりを行う。
ひと通り行うとそれなりに時間もかかるけれど、家の空気を心地よく保つための、欠かせないルーティンのひとつだそう。
08:00|お風呂と身支度
細々としたひと通りの家事や雑事が終わったら、朝の入浴を。
「寒い時季は体が温まりますし、短時間で気分もしっかり切り替わります」
ゲランド産の海塩を使ったバスソルトを入れたり、香りの好きなボディオイルをつけてマッサージをしたりと、お気に入りのアイテムを取り入れることで、一日をすがすがしくスタート。
08:40|フルーツとヨーグルトの軽い朝食
長く朝の時間帯の番組を担当していたときからの習慣で、朝ごはんの量は少なめ。
消化が負担にならないヨーグルトにフルーツ、それにたっぷりの紅茶。ごくたまに、小さなパンをかじるくらい。
「食べることが好きなので、食べるときにはしっかり集中したい。逆に忙しい朝や昼などは、軽めのほうが、体も心も調子がいいんです」
愛用しているティーポットは、益子の陶芸家・郡司庸久さんの作品。
〈撮影/大森忠明 取材・文/田中のり子〉
クリス智子(くりす・ともこ)
ハワイ生まれ。大学卒業時にJ-WAVEでナビゲーターデビューし、以来同局の番組を担当し続ける。現在は月~木曜の13:00~13:30放送の「TALK TO NEIGHBORS」を担当。暮らし、デザイン、アートの分野に造詣が深く、ナレーション、トークイベント出演、エッセイ執筆、朗読など幅広く活躍している。インスタグラム@chris_tomoko