• 寒い時季は、食べものや衣服でからだを温めるほか、からだを動かして血のめぐりをよくすることも大切です。冷えとり歴30年以上の布作家・早川ユミさんに、畑仕事や中国の体操など、長年取り組んでいる冷え改善のための健康法を教えてもらいました。
    (『天然生活』2019年12月号掲載)

    畑仕事で体を温める

    画像: 母屋の横にある畑で、ルッコラやリーフレタスを収穫。背負いかごは中国・雲南省の白族が、若者から大人まで愛用するもの

    母屋の横にある畑で、ルッコラやリーフレタスを収穫。背負いかごは中国・雲南省の白族が、若者から大人まで愛用するもの

    ユミさんのお仕事は、アジアの山岳民族の衣装や農民服への共感を込めた服づくり。

    うつむいてじっとしている作業が多いため、畑で無心にからだを動かし、汗をかくのは大切なひととき。

    「今年から稲作も始めました。アトリエの前が田んぼなのですが、おじいさんが高齢で引退することになり、きれいな景色がなくなると思うとさびしくて。田んぼに入ると、子どものころの川遊びに似た、何か根源的な喜びを感じます」

    画像: 畑では無農薬、有機肥料でにんにくとしょうがを栽培。にんにくは茎部分を三つ編みにして束ね、吊るして保存するほか、酢づけやしょうゆづけにも

    畑では無農薬、有機肥料でにんにくとしょうがを栽培。にんにくは茎部分を三つ編みにして束ね、吊るして保存するほか、酢づけやしょうゆづけにも

    中国の呼吸法と体操で気と血をめぐらせ、内側からぽかぽかに

    また、中国由来の「仙道」という思想を取り入れた老子法にも、長年取り組んでいます。

    これは、“丹田”と呼ばれるへその下を意識した呼吸法や、独自の体操を通して、自然のエネルギーを体内に取り込もうとするもの。

    ユミさんは自宅ではもちろん、旅先でも老子法の“36のかたち”を毎朝実践。

    終わるとからだが温まり、気力があふれてくるのを感じるのだそう。

    画像: 起き抜けの習慣として家ではもちろん、旅先でも続けている老子法。“36のかたち”をすべてやり終えると、からだに気と血がめぐり、ぽかぽかと温まるそう

    起き抜けの習慣として家ではもちろん、旅先でも続けている老子法。“36のかたち”をすべてやり終えると、からだに気と血がめぐり、ぽかぽかと温まるそう

    目覚めてすぐにおふとんの上で行うそうですが、集中力を高めたいときにもおすすめとか。不調は放っておかず、たえず“からだみがき”をして心身を健やかに保つことが大切だといいます。

    畑仕事で汗をかき、老子法で気や血のめぐりを整える。ユミさんと一緒に気を通す老子法を試したところ、自分のからだがいっそういとおしく感じられました。

    画像: 右手を後頭部に当て、人差し指でみぞおちを押して、気を通すレッスン。山に風の通り道があるように、からだにも気の通り道があるのだそう

    右手を後頭部に当て、人差し指でみぞおちを押して、気を通すレッスン。山に風の通り道があるように、からだにも気の通り道があるのだそう

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    〈撮影/河上展儀 取材・文/野崎 泉 トレース/佐々木真由美〉

    早川ユミ(はやかわ・ゆみ)
    布作家。アジアの手織り草木染めの布で衣服をつくり、大地に根ざして暮らす。冷えとりや丹田呼吸法について綴った著書に『からだのーと』(自然食通信社)がある。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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