お正月明け、“体が重い”ときの食生活の最適解は?
みなさま、2025年はいかがお過ごしですか。
今年こそはお正月太りはしない! と心に誓っていたのに、やはり体が重くなってきました。胃腸もなんだか重いような……。
そんなとき、お正月明けの胃腸を休める七草粥よろしく、お粥でも食べてお腹を休めようか、とも思ってしまいますが、ちょっと待った!
そこで炭水化物に偏った食生活をすると、代謝が落ちてしまい、体の重さは解消されないままということになってしまいます。
かといって、体の重さを取るためにパンやごはんは省いて野菜スープでも、というのも必ずしも正解ではないようです。
短期的なダイエットや体のデトックスが目的であれば意味がないわけではないですが、そこで栄養が足りなくなってしまった分のツケは必ずやってきます。
多少の栄養不足も体力ですぐに補うことができる若い人はよいですが、体力も下り坂の40〜50代以上のわたしたちにとっては、多少のダイエット効果のメリットよりもリカバリーの時間とそれに伴うロスのほうが大きくなってしまいます。
となると、やはり必要なのは、適切なタンパク質補給と、タンパク質を効率よく働かせるための炭水化物も一緒に摂ること。
ただ、体が重いとき、胃腸がきちんと動いていないなと感じるときの食べ方には工夫が必要です。
卵料理の消化時間はというと、
・油を使ったオムレツや卵焼きが3〜4時間
・生卵が3時間弱
・ゆで卵が2時間半
・半熟卵が1時間半
だそう。
消化のことを考えるなら、茶碗蒸しなどの油を控えた柔らかめの料理や半熟卵、温泉卵の方がよさそうです。
卵のほか、消化のよいタンパク質は、脂肪分の少ないもの。いわゆる低脂肪高タンパクの食材を選ぶとよいと思います。
鶏ささみやムネ肉、豚のヒレ肉、赤身ひき肉、鮭や白身魚など。そのほか、豆腐、納豆など。これ以外にも、牛乳や乳製品もよいそうです。
体の重たさの原因のひとつは、砂糖にある?
消化といえば、砂糖も消化のよくない食材。
お正月明けに体や胃腸が重たくなりがちなのは、お餅やごちそうの食べ過ぎや運動不足もあるでしょうが、砂糖がたっぷり使われたおせち料理にも原因があるのかもしれません。
わたしは黒豆が大好きで、毎年たくさん煮て、毎日ちょこちょこと食べながら1月いっぱい楽しむのですが、いつまでも胃腸が重たいことを考えると、この黒豆の食べ過ぎは控えたほうがよいのかもしれません。
豆の食物繊維が体によいはずだから、たくさん食べてもOKと思いたかったのですが……。
胃の調子はこころの状態にもつながっている
一昨年、レシピページを担当した本『「胃」を整えると自然と「不安」が消えていく』の著者の一石英一郎先生によると、胃は第二の脳と呼ばれるのだとか。
ストレスが溜まると胃が悪くなることはわたしたちもよく知っていますが、その反対の作用も起こるそうです。
つまり、胃の状態がメンタルにも影響を与えうるということ。胃の状態をよくするとメンタルも自然とよくなっていくそうですが、胃の調子がいまいちのままでいると、メンタルの状態も下がっていくことになりかねないということです。
かなり胃が痛いなどの症状があるときには胃にうんとやさしいお粥やうどん、ポタージュなどでいたわるのが重要ですが、調子がいまいちだな、くらいの不調ならば、過保護にせずに胃によい食材を積極的にとって胃の働きをしていくのがよさそうです。
体や胃腸が重いときにおすすめ、胃腸にやさしい朝ごはんをご紹介します。
田内しょうこ(たうち・しょうこ)
「時短料理をサステナブルな知恵に」をモットーに、ゆとりを生みだすための時短の知恵を書籍や雑誌、ウェブサイトで発信。セミナーや出張教室のほか、食と暮らし、子育て関連の情報発信を行う。著書に『時短料理のきほん』(草思社)、『働くおうちの親子ごはん』シリーズ(英治出版)、『汁かけごはん』(駒草出版)など。
インスタグラム:@tauchi.shoko
ツイッター:@oyakogohan