実験結果
“絞り”に成功。高層株ほど高糖度の果実に
水は定植時にやったきりでしたが、いずれの株も枯れることなく生長しました。
直径10cmの塩ビ管の口に雨が入り込む余地はほとんどなく、トマトは、管内のわずかな水分で必死に地面まで伸ばした根によってしっかりと赤い実をつけたのです。
早速、収穫した果実を糖度計で測ってみると、期待どおりの絞り効果が現れていました。トマトがもっとも充実する7月下旬の各株の平均糖度は下の写真のとおり。

2本の高層株は高糖度の目安である8度を超え、地上100cmの株に至っては最高値11.1度を記録。
平均でも10度と高い値を示しました。
本記事は、『家庭菜園の超裏ワザ』(家の光協会)からの抜粋です。
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<撮影/阪口克>
和田義弥(わだ・よしひろ)
1973年茨城県生まれ。フリーライター。20〜30代前半にオートバイで世界一周。40代を前にそれまで暮らしていた都心郊外の住宅街から、茨城県筑波山麓の農村に移住。昭和初期建築の古民家をDIYでセルフリノベーションした後、丸太や古材を使って新たな住まいをセルフビルド。約5反の田畑で自給用の米や野菜を栽培し、ヤギやニワトリを飼い、冬の暖房を100%薪ストーブでまかなう自給自足的アウトドアライフを実践する。著書は『増補改訂版 ニワトリと暮らす』(グラフィック社)、『一坪ミニ菜園入門』(山と渓谷社)など多数。