(『天然生活』2021年4月号掲載)
“ごはんがすすむおかず”を中心に、ちゃちゃっとつくるいつものお弁当
食堂を開き、お弁当のテイクアウトも手がけている森かおるさん。今回つくってくれたのは、いつもかたわらで「見守ってくれている夫へ」のお弁当です。
「ちゃちゃっとつくる、いつものお弁当にしました」と笑う夫のお弁当は、玉子焼き、甘辛牛肉、さけが彩る和風のお弁当。
「主人には週に1回くらいお弁当をつくっていますが、晩酌派で夜はあまりごはんを食べないので、とにかくお昼はしっかり食べてもらえるように、ごはんがすすむおかずにしています。でも、どれも朝にさっとつくれるものですよ」
小さなフライパンひとつで玉子焼き、こんにゃくの下ゆで、牛肉の炒め煮を完結。さけはレンジで加熱して泡立て器でほぐし、なるほど、10分ほどででき上がりました。
「定番の玉子焼きもだし巻きほどていねいなものではなく、かつお節を加えて風味をつけています」
ちょっとした工夫と段取りで、あっという間に仕上げてしまう森さんですが、「少しでも野菜を食べてもらいたい」と、玉子焼きには必ずきざみねぎを混ぜ入れています。
旬の野菜をほどよく漬けた自家製のぬか漬けも、「ごはんのお供にあるとうれしいですし、腸を整えてくれるから」と、ほんの数切れでも欠かさず添えているそう。
そばにいても、離れていても、「しっかり食べて、元気でいてほしい」。森さんが家族につくるお弁当は、日々積み重ねてきた食卓の風景をそのまま詰め込んだような、そっと体を気遣うお弁当です。

おかずは小さいバットに移し、冷めてからお弁当箱へ。「少量つくるときは、小さいサイズの道具を使うと洗いものも楽です」

「さけは泡立て器でほぐすと、骨や皮も自然に取れてきます」。ほどよく脂があるアラを使い、しっとりコクのあるふりかけに
「甘辛牛こんと玉子焼き弁当」のつくり方
森さんからのメッセージ
夫へ。いつも変わりばえしないけど体のことは考えてるからね。

ねぎ入り玉子焼きがほっとする味わいの和風弁当。甘辛おかず&さけフレークでごはんがすすみます。
甘辛牛こん

仕上げに水分をとばしながら炒めると、こんにゃくにもしっかり味がなじみます。
材料(2人分)
● 牛こま切れ肉 | 100g |
● こんにゃく(きんぴら用) | 40g |
● ごま油 | 適量 |
● 七味とうがらし | 少々 |
● A | |
・しょうゆ | 大さじ1 |
・砂糖 | 大さじ1 |
・みりん | 大さじ1 |
つくり方
1 フライパンに水(分量外)とこんにゃくを入れて沸騰させ、さっとあく抜きしてざるにあげる。
2 1のフライパンにごま油を熱し、中火にして牛肉を炒め、色が変わったら1のこんにゃくも加えて炒める。
3 Aを加えて強火にし、水分をとばすように炒める。
4 仕上げに七味とうがらしをふる。
〈撮影/竹田俊吾 取材・文/山形恭子、鈴木理恵(TRYOUT)〉
森かおる(もり・かおる)
料理家。生活雑貨と暮らしの教室「Relish」(京都府大山崎町)主宰、料理教室やマルシェを開催。近隣に「Relish食堂」がある。2021年1月、同町に「Relish」を移転。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです