• つくって、寝かせて、世話をして......時間がおいしくしてくれる「保存食」。25年間、保存食をつくり続けてきた料理家の飛田和緒さんに、6月が旬の実山椒を使った「塩漬け」と「しょうゆ漬け」のつくり方を教えていただきました。『天然生活web』に掲載された記事の中から、初夏ならではの保存食をご紹介します。
    (『季節を味わう 保存食手帖』より、『天然生活web』初出2021年6月1日)

    1年保存可能! さわやかに香る「実山椒」

    実家の山椒の木に実が鈴生りになると、しょうゆ漬け、塩漬けをつくりはじめるのが毎年の恒例です。

    一粒一粒、丁寧に実をはずしていると、何ともいえないさわやかな香りが広がります。

    実山椒の「下処理」と「塩漬け」のつくり方

    画像1: 実山椒の「下処理」と「塩漬け」のつくり方

    材料(つくりやすい分量)

    ● 実山椒100g(正味)
    ● 粗塩10g(実山椒の重さの10%)

    つくり方

     実山椒は小枝からはずしながら水につける(なり口の色が変色しないように)。すべてはずし終えたら、流水の下で水を替えながらよく洗い、水気をきる。

    画像2: 実山椒の「下処理」と「塩漬け」のつくり方

     鍋にたっぷりの湯を沸かし、実山椒を7~8分ゆでる。

    画像3: 実山椒の「下処理」と「塩漬け」のつくり方

     指でぎゅっと押すと、つぶれるくらいにやわらかくなったら、ざるに上げて水気をきる。

     水につけて30分ほどおき、アクを抜く。食べてみてえぐみが強ければ、水につける時間を長くする。

     ざるに上げて水気をよくきり、煮沸消毒したビンに入れて、塩を加える。ふたをして軽く振り、冷蔵庫に10日ほど置いて味をなじませる。

    画像4: 実山椒の「下処理」と「塩漬け」のつくり方

    メモ
    冷蔵庫に10日ほど置いて、味がなじんでからが食べ頃。冷蔵庫で1年ほど保存可。実山椒の緑色をできる限り残したい場合は冷凍保存に。食べるときは水につけて塩を適宜抜いてから使います。

     

    本記事は『季節を味わう 保存食手帖』(扶桑社)からの抜粋です

    〈撮影/広瀬貴子〉


    画像2: 実山椒のしょうゆ漬けで 「じゃこ山椒」のつくり方

    飛田和緒(ひだ・かずを)
    1964年、東京生まれ。高校3年間を長野で過ごす。現在は、海辺の街に夫、娘とともに暮らす。祖母の料理から引きついだ東京の味、母や友人によって知った長野の味、自身が暮らす湘南の味、その土地ごとの味と素直に向き合いながら、日々の食卓で楽しめる家庭料理、保存食をつくり続ける。近著に『おとなになってはみたけれど』『くりかえし料理 』(ともに扶桑社)。
    Instagram:@hida_kazuo

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    『季節を味わう 保存食手帖』(扶桑社社)|amazon.co.jp

    『季節を味わう 保存食手帖』
    (飛田和緒・著/扶桑社・刊)

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    amazon.co.jp

    料理家・飛田和緒さんが25年間つくり続けている保存食のレシピ集が「令和版」に進化した決定版です。

    夏は梅干しや梅酒、冬は味噌。季節を感じながら、つくること、味わうことの楽しさが伝わる、保存食レシピ本のパイオニア『保存食手帖』が大幅リニューアル。

    書き込める「手帖スタイル 」も健在。年1回しかつくらないものも多いから書き込み欄のメモを充実させて、自分の味を深めていく使い方が好評です。

    「私自身もこの本をとても頼りにしていて、まず本を開いて昨年のメモを読み返したりしながら、素材の入荷状況を確認したり、注文したりして、作業に入ります」(著者)



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