気・血・水のバランスを考える
中医学には「気・血・水」という概念があります。
気は、生命を維持する源となるエネルギー。血は、栄養を含んだ赤い液体のことで、栄養を全身に届ける働きも含めます。そして水は血液以外の体液。この3要素のどれかが不足したり、滞ったりすると不調が現れます。
3要素のバランスは、普段の食事や生活習慣などさまざまな原因で乱れてしまいます。そこでバランスを整えるのが養生です。たとえば、気が滞ったら気を巡らす食材、血が不足したら血を補う食材をとるといった方法で手軽に改善できます。
血の不足 血虚タイプ(けっきょタイプ)
顔色が悪く、睡眠トラブルが起きやすい
血が足りないので、肌や臓器に栄養が届かず、疲れやすかったり、顔色が悪かったり、頭がぼうっとしやすいのがこのタイプ。
落ち込みや不安感のほか、寝つきが悪い、途中で目が醒める、夢を見やすいなど睡眠のトラブルが起きやすいのも特徴。
【原因】
頭や目の使いすぎ、睡眠不足、偏った食事
【養生】
パソコンやスマホを見過ぎず、頭や目の酷使を防ぎ、睡眠を十分にとること。赤い色・黒い色の食材などで血を補う食材もとりましょう。
血(けつ)不足には卵とトマトを!
「半熟卵のツナトマトソース」がおすすめ

見た目にも楽しい!
血の不足「血虚(けっきょ)」の状態では、眠りが浅く、夜中に目が覚めてしまったり、気持ちも落ち込みがちに。そんなときは「半熟卵のツナトマトソース」を食べて改善しましょう。
卵は気持ちを安定させて、快眠におすすめの食材です。トマトのような酸味は肝(かん)に働きかけるので補血効果のサポートができます。トロトロの半熟卵とトマトソースが程よく絡み、心が癒されるはず。
「半熟卵のツナトマトソース」の材料とつくり方
1 卵をゆでる(約7分)。
2 鍋にトマトソースとツナを入れて加熱し、塩、またはコンソメで味を調える。
3 1のゆで卵を薄切りにして皿に盛り、2をかける。
本記事は『1日ひとつ、疲れが消える おいしい漢方365』(世界文化社)からの抜粋です
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1日1テーマ365日分の養生法が一冊に。身近な食材でできる簡単薬膳レシピ113掲載
なんとなく不調が続いている。なんだか疲れやすくなった。肌や髪の老化が前より気になる。薬膳・漢方を暮らしに取り入れてみたい。そんな方にぴったりの「最初に読みたい養生本」。SNSで人気の女性漢方家が、自身の不調や豊富なカウンセリングの経験をもとに、やさしく、あたたかく導きます。疲れた日でも「これならできそう」そんな情報を、365日分、ぎゅっと1冊にまとめました。
久保奈穂実(くぼなほみ)
国際中医薬膳管理師。国際中医美容師。漢方美容家。漢方アドバイザー。成城漢方たまりで年間約2000人を対象に漢方相談・薬膳講師を行う。SNSにて発信する養生ネタやカンタン薬膳レシピが大人気。総フォロワー約14万人。
成城漢方たまり:https://tamarikanpo.com/