トマトの薬膳的効能ついて
トマトは胃腸の働きを活性化して、消化不良や食欲不振などに有効なため、夏バテで食欲のないときに最適です。
熱を冷まし、体内の渇きを止めて潤す働きもあるため、汗で流れ出た水分を補い、夏の暑さから身を守るのにも役立ちます。
肝機能を整えるため、肝に熱がこもってイライラするときやのぼせや頭痛なども改善してくれます。
トマトを発酵させた中国の万能調味料をアレンジ
中国貴州省にトマトを発酵させた「紅酸(ホンスゥァン)」という調味料があります。
その名の通り、真っ赤な色の酸っぱい味わいで、これさえあれば味が決まる万能調味料といわれます。
各家庭で加える材料や配合も違うようですが、私は日本の家庭でもつくりやすくアレンジしています。
そのまま食べるのではなく、スペアリブや鶏肉、白身魚を煮たり、スープや鍋仕立てにしていただきます。
「ピリ辛発酵トマト」のつくり方

材料(つくりやすい分量)
●トマト | 400g |
●粉末とうがらし(韓国とうがらし60g+一味とうがらし10g)※ | 70g |
●塩 | 20g(トマトの5〜6%) |
●米麹(乾燥) | 40g |
●にんにく | 2かけ(20g) |
●しょうが | 20g |
●甘酒 | 20g |
※ 韓国とうがらしがない場合は、一味とうがらしやチリパウダーでも代用できますが、辛味が強いので全体の半量程度に減らしてください。乾燥した鷹の爪を刻んで加えても。
つくり方
1 トマトは皮ごと1cm程度の角切りにする。しょうがとにんにくはすりおろす。
2 清潔な瓶に1を入れ、塩と米麹、とうがらし、甘酒を加えてよく混ぜ合わせる。

3 ふたをして冷暗所で2週間以上発酵させる。途中、ぷくぷくしてきたらふたをゆるめて空気を抜く。時間とともに乳酸菌が増え、自然に発酵していきます。
保存期間:常温で1年保存可能。煮込み料理やスープ、鍋物、タレなどに利用します。
〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉
山田奈美(やまだ・なみ)
「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『季節のお漬けもの』、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)などがある。
インスタグラム:@nami_yamada.tabegoto
YouTube:「山田奈美の発酵暮らし」
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