Q:日光アレルギー(光線過敏症)の対策を教えてください

元気よく出かけたいのに日差しがこわいです……
数年前から、日に当たると皮膚がかゆくなり、湿疹が出てしまう日光アレルギー(光線過敏症と診断されました)に悩まされています。
若い頃は日焼けしてもなんともなかったのですが、大人になってから急に症状が出るようになってしまい、かゆみを我慢するのがつらいです。
今年は日焼け止め、日傘などの対策をしているためか、まだその症状は出ていないのですが、症状が出るとき・出ないときの違いは何でしょうか? 生活習慣や食べものなども関係してくるのでしょうか。対策できることがあれば知りたいです。
(hanakoさん/40代、会社員)
A:予防はやはり「日光を避ける」こと。症状の変化をチェックしてみましょう

症状が出る場合の状況を観察してみましょう
かゆみ、発疹を引き起こす「日光アレルギー(光線過敏症)」とは
今回は日に当たると皮膚がかゆくなり、湿疹が出てしまうというhanakoさんからのお悩み相談です。
日光アレルギー(光線過敏症)は、日光に当たることが引き金となって皮膚のかゆみや赤み、発疹などが生じる病気です。
紫外線を浴びると皮膚が赤くなって炎症を起こす「日焼け」の症状は、ある程度日光を浴びれば誰にでも生じるものですが、この「日焼け」とは違い「日光アレルギー」は日光によって免疫系が過剰な反応を起こして症状が出てしまうものです。
原因としては、お薬の影響や化粧品、食品などが関係することもあります。
よくある例としては湿布を貼った部分に日光が当たることで、赤みや発疹が出ることがあります。湿布の注意書きにも「日光に当たらないようにすること」が明記されています。
まれには、膠原病(こうげんびょう)などの免疫に関わる病気や遺伝が原因になる場合もあります。
日光アレルギー(光線過敏症)を予防する習慣
予防としては、まずは日光をできるだけ避けることが大切です。具体的には、帽子や日傘、長袖の服を着て肌の露出を避ける、日焼け止めを使用するなどです。
hanakoさんは今年は日除け対策をしっかりされているとのことですので、ぜひ継続して気をつけていきましょう。
また、hanakoさんの場合、若い頃は大丈夫で、症状が出るときと出ないときがあるようですね。それでしたら、調子が悪くなる頃から使用し始めた薬や化粧品がないかどうか、または食事日記をつけて特定の食材で症状が出やすいものがないかをチェックしてみるのもおすすめです。
ひとつ気をつけたいのは、日焼け止め自体の成分でアレルギーを起こす場合がある点です。敏感肌の方や、過去に日焼け止めでのトラブルがあった方は、とくに注意が必要です。新しい日焼け止めを試す際は、少量から試すようにしてみるといいかもしれません。
日光アレルギー(光線過敏症)におすすめの漢方
漢方薬としては、皮膚の炎症を抑える白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)や、風邪にも使われる麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)などが効果がある場合もあります。
これら対策をしてもつらい場合には、抗アレルギー薬の内服やステロイドの外用薬などで対処する方法もあるので、改めて皮膚科を受診するのもよいかもしれませんね。
今回の記事が日光アレルギーでお悩みの皆様の少しでもお役に立てれば幸いです。
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來村昌紀(らいむら・まさき)
頭痛専門の脳外科医として大学病院に勤務しながら漢方専門医の資格を取得。2014年、千葉県に、「らいむらクリニック」を開設。著書に『頭痛専門医・漢方専門医の脳外科医が書いた頭痛の本』『漢方専門医の脳外科医が書いた漢方の本・入門編』(ともにあかし出版)など。YouTubeチャンネル『らいむらクリニック チャンネル』でも、頭痛や漢方のお話を解説。
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