• 一年中、旬の仕込みものを楽しんでいるという、薬膳・発酵料理家の山田奈美さん。1月から12月までその時々に楽しめる発酵食と保存食づくりをご紹介します。10月は「柿酢」のつくり方。柿は洗わず、そのまま保存瓶に入れるのがポイントです。
    (『天然生活』2022年2月号掲載)

    10月に楽しむ、発酵食と保存食
    10月は秋の味覚「柿」を使ってお酢づくり

    画像: 10月に楽しむ、発酵食と保存食 10月は秋の味覚「柿」を使ってお酢づくり

    さつまいもにきのこ、栗や落花生と、秋はおいしいものがたくさん。

    「干しいも」は子どものころからのおやつの定番です。皮ごとやわらかくなるまで蒸し、1cm厚さほどに切って風通しのよい場所で1週間ほど天日干しすれば完成。密閉袋などで冷蔵保存すれば3カ月はもちますが、保存はおろか、干しているそばから息子の手が伸びてあっという間になくなってしまうほど。

    「干しきのこのしょうゆ漬け」も定番でパスタやうどん、炊き込みごはんなどアレンジも広がります。また、なますやドレッシングに活用する「柿酢」もこの時季は毎年つくっています。

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    ▼「干しいも」のつくり方はこちら

    「柿酢」のつくり方

    画像: 「柿酢」のつくり方

    保存瓶に柿を詰めておくだけででき上がり。皮の部分の酵素が重要なので洗わないように。汚れが気になる場合は軽くふき取る程度にとどめます。3カ月ほどしたらドロドロになるので、しっかりこして。

    材料(つくりやすい分量)

    ● 柿適量

    つくり方

     柿は洗わずにヘタも取らない、気になる汚れは軽くふき取る。

     清潔な保存瓶に柿を詰めてフォークなどでつぶす。空気を遮断しないようにふたを軽く閉め、冷暗所に置く。

     翌日~2、3日後には小さな泡が出て発酵し始める。2~3日に一度は箸やヘラで細かくつぶしながらかき混ぜ、常温に置く。

     3カ月ほどしたら、さらしなどを使ってじっくりこす。

    *甘柿、渋柿のどちらでもよい。完熟柿を使うと発酵が進みやすいけれど、完熟していないものを使ってもよい。

    *こしたあと冷蔵で保存。保存期間は1年以上。

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    ▼そのほかの柿の手仕事はこちら


    〈監修/山田奈美 イラスト/しらいしののこ 取材・文/結城歩〉

    山田奈美(やまだ・なみ)
    薬膳・発酵料理家。食養研究家。発酵食や薬膳に造詣が深く、神奈川県葉山町で発酵や薬膳の料理教室を開催している。季節の発酵食と保存食づくりについて詳しく紹介している『昔ながらの知恵で暮らしを楽しむ家しごと』(エクスナレッジ)ほか著書多数。夫と小学生の息子の3人暮らし。
    http://tabegoto.com/

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

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    『別冊天然生活 山田奈美さんの手仕事を楽しむ古民家暮らし』(山田奈美・著/扶桑社・刊)

    画像: 10月に楽しむ手仕事「柿酢」のつくり方。保存瓶に柿を詰めておくだけで完成!|山田奈美さんの12カ月楽しめる発酵食と保存食

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