落花生の薬膳的効能ついて
落花生は肺を潤し、咳を止める働きがあり、秋の乾燥による空咳や気管支炎などの予防に最適です。
胃腸の働きを調えて食欲不振や便秘の改善にも役立ちます。
母乳不足を補い、余分な水分を排出したり、肌の健康を保つなど女性に嬉しい効能も多く持っています。
良質な脂質はコレステロールや血圧の調整、動脈硬化を予防するほか、脳の神経細胞を活性化します。とくに薄皮は血を補い、止血する作用や抗酸化作用があり、貧血予防や老化防止、免疫力アップにも働きます。
落花生の甘みを生かした、シンプルなピーナッツバター
9月から11月にかけて収穫を迎える落花生。
旬の時季にだけ出回る、生のものが手に入ったら、塩ゆでや落花生ごはんも大好きですが、手づくりのピーナッツバターをつくるのもおすすめです。
落花生そのものに自然な甘みや脂肪分があるので、何も加えなくてもピーナッツバターになりますし、甘みや食感などを好みにアレンジすることもできます。
抗酸化作用の高い薄皮を少し加えると健康効果が高くなりますし、仕上げに刻んだ素焼きピーナッツを加えてザクザク食感を出しても。
また、植物油を少量混ぜることでトロトロとなめらかなテクスチャーになります。
保存性も高いので、常備しておくと便利です。
「ピーナッツバター」のつくり方

材料(つくりやすい分量)
● 生落花生(殻付き) | 200g |
● はちみつ | 大さじ1(好みで調整) |
● 米油 | 大さじ2 |
● 塩 | ひとつまみ |
● 薄皮 | 落花生の1/4量程度 |
つくり方
1 鍋に塩分3%程度の水と落花生を殻つきのまま入れて、中火で30分ほどゆでる。
2 1の殻と薄皮をむく。
*素焼きの落花生を使う場合は、ゆでずに薄皮だけをむいて使う。
3 ミキサーやフードプロセッサーに2と米油、はちみつ、塩を入れて、なめらかになるまで攪拌し、煮沸消毒した瓶に詰める。

*ペースト状になってもさらに1~2分攪拌するとトロトロになる。
*常温や冷蔵で2〜3カ月程度保存可能。(暑い時季は冷蔵がおすすめ)
〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉
山田奈美(やまだ・なみ)
「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『季節のお漬けもの』、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)などがある。
インスタグラム:@nami_yamada.tabegoto
YouTube:「山田奈美の発酵暮らし」
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