• 毎朝飲むほどコーヒーが好きだという、料理研究家の横山タカ子さん。愛用の道具を聞くと、「これでコーヒーを淹れると、まろやかになる気がする」と、竹細工のドリッパーが登場。横山さんが長年愛用する竹製ドリッパーの生みの親「井上竹細工店」店主・井上栄一さんの工房を訪ねました。

    すっかりコーヒー色に染まった愛用の竹製ドリッパー

    長野県に住む、郷土料理研究家の横山タカ子さんは、毎朝コーヒー豆をミルで引き、ていねいにドリップして、ホーローのポットに落とし、飲まれています。

    このとき使っている美しいドリッパーは、竹製。長年使われているので、すっかりコーヒー色に染まっていて、愛着もひとしおです。

    画像: すっかりコーヒー色に染まった愛用の竹製ドリッパー

    撮影の合間に、気になって、どこで手に入れたものかお聞きしたところ、長野県・戸隠にある「井上竹細工店」のものとのことで、さっそく、訪ねてみました。

    400年の歴史を誇る“戸隠の竹細工”を守りつづけて

    戸隠神社の中社近くで、長年竹細工店をつづけてきた井上栄一さんの工房を訪ねると、ひとりで黙々と手を動かして、編まれています。

    傍らには猫が寄り添い、井上さんを見守っているようです。

    画像1: 400年の歴史を誇る“戸隠の竹細工”を守りつづけて
    画像2: 400年の歴史を誇る“戸隠の竹細工”を守りつづけて

    材料となるのは、戸隠の山に生えている“根曲り竹”。山深い戸隠の地で、大切に守り継がれてきました。

    戸隠の竹細工の歴史は古く、400年前から、つくりつづけられているといわれています。

    戸隠の名物といえば、「そば」。根曲がり竹で編まれるそばざるは、信州のそば文化に欠かせない、大切なものです。

    画像3: 400年の歴史を誇る“戸隠の竹細工”を守りつづけて

    長年、生活を支えてきた竹細工でしたが、時代の流れとともに、プラスチック商品も出てきて、取り巻く状況が変わってきました。そんな中、井上さんは、現代の生活様式に合わせて、「竹細工ドリッパー」を考案、見事大人気商品となったそう。

    「毎日使い、目に入れるものは、美しいものがいいですよね」と言う横山タカ子さん。

    「これでコーヒーを淹れると、まろやかになる気がするのです」と教えてくれました。

    画像4: 400年の歴史を誇る“戸隠の竹細工”を守りつづけて

    戸隠竹細工は、すべて職人による手づくりです。その一つひとつが、たくさんの手間をかけてつくられた、すばらしい手工芸品です。

    これからも、戸隠の地で竹細工が生活のなかで生き続けることを願っています。

    井上竹細工店
    長野県長野市戸隠中社3416
    https://www.inouetakezaiku.com/

    ▼横山タカ子さんの“趣味暮らし”の記事はこちら

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    天然生活2025年12月号では、横山タカ子さんの「秋の実り豊かな食卓」を紹介しています。小豆のおいしさをシンプルにいただくごはん、秋の根菜の煮ものなど、寒さに備えて体と心を整えるレシピが満載。あわせてお楽しみいただけましたら幸いです。

    天然生活2025年12月号(扶桑社・刊)

    画像: コーヒー好きにおすすめ!朝の一杯が生まれ変わる「竹のドリッパー」大人気商品の生みの親、長野・戸隠の竹細工店を訪ねて/料理研究家・横山タカ子さんの趣味暮らし

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    〈撮影/山川修一 文/八幡眞梨子(編集部)〉

    横山タカ子(よこやま・たかこ)
    長野県大町市生まれ、長野市在住。長年にわたり信州各地を訪ね歩き、郷土料理や行事食の取材を重ねる。野菜たっぷりのシンプル料理や、「さしす漬け」をはじめつくりやすい保存食のレシピが定評。「趣味は暮らし」と、四季のしつらいや和装、手仕事のセンスにもファンが多い。別冊天然生活「横山タカ子さんの和のある暮らし」(扶桑社)が好評発売中。
    インスタグラム@takakoyokoyama_sasisu



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