• 写真と文を軸に、さまざまな表現をする七緒(なお)さん。鎌倉山の麓で育むゆるやかな暮らしと、15年以上積み重ねてきた“セルフケア”の小さなアイデアをお届けします。今回は、万能セルフケアの「こんにゃく湿布」について。忙しい日々でも、心地よくあることを忘れずに。ゆるく始められる気軽なケアで、毎日のすこやかな変化を楽しんでみませんか。

    心地よさの源は「ままならなさ」

    こんにちは、写真と文の七緒です。実は最近、子どもの体調不良に翻弄されていました。

    1ヶ月だらだら続いた風邪、とどめはインフルエンザ! 書籍の出版が重なったこともあり「なぜこのタイミングで……」と恨みがましい気持ちになったのが本音。

    日々は思い通りに進みませんね。でもままならなさがあるから、心地よさを切実にまなざせるのだと気付きました。

    画像: 心地よさの源は「ままならなさ」

    15年前にセルフケアをはじめたきっかけは、会社で生理痛で倒れて呆然としたから。前職の公務員から独立を決心したのも、自分らしいキャリアを描けず悶々としていたから。

    心地よさの原動力がままならなさだとしたら、ドタバタな日常の見え方も少しは変わる気がします(愛せるとまでは言えません 笑)。

    家庭でできる小さなお手当
    万能セルフケア・こんにゃく湿布

    前々回から家庭でできる小さな自然療法を紹介しています。自然療法とは家にあるものでお手当する昔ながらの知恵。「ちょっと体調悪いかも?」という小さな不調時、力を発揮してくれます。

    はちみつ大根、びわの葉チンキと紹介してきて、トリを飾るのはこんにゃく湿布です。

    こんにゃく湿布とは、温めたこんにゃくをタオルで包んで、体にあてること。毒素を排出し、新陳代謝を助けることで、風邪・熱・疲労回復などに効果があると言われています。

    画像: 家庭でできる小さなお手当 万能セルフケア・こんにゃく湿布

    「こんにゃくで不調が整うの?」とはじめは半信半疑でしたが、今年の春、38度の熱が出た時、よろよろしながら冷蔵庫にあったこんにゃくを温めて、首の付け根にあててみました。

    その時のじんわりとした心地よさったら!

    温泉に入った時に「ふわあ〜」と声が出るあの感じ……こわばりがほどけて、体の芯からぽかぽか温かくなって。こんにゃく湿布を30分したら汗がどっと出て、解熱したんです。4歳の子どもが発熱した時も同じでした。

    画像: 日常的にこんにゃく湿布でケアしています

    日常的にこんにゃく湿布でケアしています

    他にもこんにゃく湿布をすることで咳が落ち着いたり、ぐっすり眠れて翌朝からだが軽かったり。スーパーで100円ぐらいで買えて、小さな不調をてきめんに整えてくれる。万能セルフケアアイテムだと実感しています。

    2ステップで簡単!こんにゃく湿布のつくり方

    それではつくり方を紹介します。たった2ステップでつくれちゃいます。

    ①こんにゃくを10分間ゆでる

    画像1: 2ステップで簡単!こんにゃく湿布のつくり方

    ②天然素材のタオルで包み、体にあてる。

    画像2: 2ステップで簡単!こんにゃく湿布のつくり方

    ゆでたてのこんにゃくはとても熱いので、必ずタオルで包みましょう。

    あてる場所は丹田、肝臓(右脇腹)、腎臓(肩甲骨の下)がいいと言われていますが、心地よい場所が一番。私は首の後ろにあてたり、咳が出る時は肩甲骨の間にあてたり、自分の心地よさを優先しています。

    あてる時間は、大人は30分、子どもは10分と書かれていることが多いですが、そこも心地よい時間にアレンジOK。

    こんにゃくは繰り返し使えますが、小さくなってきたら新しいものと替えましょう。手あてに使ったこんにゃくは食べません。

    画像: 冷蔵庫保存で、繰り返し使えます

    冷蔵庫保存で、繰り返し使えます

    手間とは、手をかける喜びのこと

    大根はちみつ、びわの葉チンキ、こんにゃく湿布。3回にわたって、家庭でできる簡単な自然療法を紹介してきました。

    家にあるもので不調が整ったり、副作用もなく心地よかったり。さまざまな魅力がありますが、一番は手をかける喜びを感じられることだと思います。

    自然療法を取り入れはじめて、手間をかけるとは、手をかける喜びなんだと知りました。自分や家族に手をあてて「よくなあれ」と心の中でつぶやくこと。手のひらから伝わる“何か”がきっとあると思うのです。

    この時代にお手当をすることは、効果・効能を越えた豊かさがあると信じています。

    遊びの延長線のような感覚で、気軽に試してみてくださいね〜!

    画像: 私にとって、自然療法のバイブル本

    私にとって、自然療法のバイブル本

    参考文献:『家庭でできる自然療法』著・東城百合子/あなたと健康社

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    ▼自然のお手当「はちみつ大根」はこちらから

    ▼自然のお手当「びわの葉チンキ」はこちらから



    〈撮影/星 亘(3枚目:七緒) 文/七緒〉

    画像: 手間とは、手をかける喜びのこと

    七緒(なお)
    写真と文。「毎日も人生も、心地よく」というテーマで、鎌倉山の麓に暮らしながら、心とからだが楽になるセルフケアの知恵を届けている。ラジオ「心地よく聴く、セルフケアジャーニー」も好評。著書3冊、1児の母で、植物療法士としても学びを深めている。
    インスタグラム:@naotadachi
    Podcasts:心地よく聴く、セルフケアジャーニー
    note:https://note.com/naotadachi



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