• 英国のハーバリストはハーブを使って体や心を整えるだけでなく、ハーブ療法を通してさまざまなメッセージを発信しています。ハーブがあるすこやかな日々、そしてその先にある何を伝えようとしているのでしょうか。本記事では、ハーバリストの石丸沙織さんが英国で出会った素敵なハーバリストたちをご紹介します。今回は、水上に浮かぶボートを拠点にハーブ療法を行う、メリッサさん。その活動はボートの診察室から地域のコミュニティへ、さらには、フランスの難民キャンプでの治療など、社会的な活動にまで広がっています。

    ロンドンの移動型ボートクリニック

    英国でも珍しい、ロンドンの運河に浮かぶ「ナローボート」を拠点にハーブ療法を行っているメリッサ・ロナルドソンさん(以下、メリッサ)を訪ねました。

    地下鉄ヴィクトリア線の終点に近い、トッテンナム・ヘイル駅の近くにボートを停めている場所があり、夏の昼下がりに招待されました。

    駅を出ると、運河沿いに緑豊かな小道が続き、小鳥のさえずりやそよ風が心地よく、ボートの住人たちが犬の散歩やピクニックチェアを並べておしゃべりしていて、挨拶をしながら進んでいきます。

    ボートクリニックへ向かう緑のアーチをくぐると、美しいハーブガーデンが目の前に広がりました。ボートまではほんの数メートルですが、庭には所狭しとたくさんのハーブが植えられていています。

    夏の陽射しを受けて、マシュマロウやハニーサックルが気持ちよさそうに枝を伸ばしています。ローズは花盛りで、花が終わったばかりのエルダーは緑色の実をつけ始めていました。

    水辺だからかバードッグ(ゴボウ)がよく育って、つぼみをつけています。足元には、タイムやバジル、ローズマリーなどのキッチンハーブも並んでいます。

    庭のハーブは、お話の後で出てくる北フランス・カレーにある難民キャンプやメリッサのクリニックで、ハーブティーやレメディづくりに利用されています。


    〈撮影・文/石丸沙織 写真提供/メリッサ・ロナルドソン〉

    石丸沙織(いしまる・さおり)
    英国メディカルハーバリスト、アロマセラピスト。イギリスでハーブ医学を学んだのち、東京、香港を経て、2011年より鹿児島県奄美大島在住。地域に根差したハーバリストとして、身近なハーブを暮らしに取り入れたケアを広めている。菓子研究家・長田佳子さんとの共著に『ハーブレッスンブック』(アノニマ・スタジオ)、訳書に『フィンランド発 ヘンリエッタの実践ハーブ療法』(フレグランスジャーナル社)がある。

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    『ハーブレッスンブック』(石丸沙織・長田佳子・著/アノニマ・スタジオ・刊)

    画像: ハーバリストを訪ねて、英国へ。ロンドンの運河に浮かぶ「ボートクリニック」でハーブ療法を行う、メリッサ。広がる取り組みはフランスの難民キャンプ支援にも/ハーバリスト・石丸沙織さん

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    メディカルハーバリストの石丸沙織さんと菓子研究家・長田佳子さんは2018年より「herb lesson」を開催してきました。ハーブのテイスティングとそのシェアリングに時間をかけ、教科書的なハーブの知識だけではなく、それらが使う人の心身にどのように響くかを大切にしています。

    ハーブティー、ブレンドの考え方、ハーブバス、チンキなどのレメディ、ハーブの風味を味わうお菓子を暮らしに取り入れてみましょう。自分の感覚を大事にする、こころとからだを癒すセルフケアの方法やアイデアをご紹介します。

    ハーブとの出逢いを通して、新しい自分に出逢える一冊です。



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