(『天然生活』2025年1月号掲載)
今日もていねいに。
「今日もていねいに。」とは一体何なのか?
三十歳の頃、インターネットが少しずつ普及しはじめて、見よう見まねで自分のブログをはじめた。
毎朝、今日の気分を「おはよう」のあいさつと共に、白い紙にペンで書いた。それをデジカメで写真に撮ってブログにアップした。
そのときの文末に「今日もていねいに。」ということばを一行添えた。深呼吸をひとつしてから、ゆっくりと書いた。
会社勤めもせず、自由にアメリカと日本を行き来しているだけだから、時間はたっぷりとあった。
そんな自分だからなにかひとつくらいは心掛けをしようと考え、ふと心に思ったことばが「今日もていねいに。」だった
「今日もていねいに。」ということばを書いて一日をはじめる。ひとつくらいはがんばることをしなければという約束であり、今日という日を少しでも前向きにさせるためのおまじないでもあった。
そうしていると、毎日、自分で書いていながら、はて「今日もていねいに。」とは、どんなことなのかと考えるようになった。
〈イラスト/松栄舞子〉
松浦弥太郎(まつうら・やたろう)
エッセイスト。クリエーティブディレクター。暮しの手帖編集長を経て、「正直、親切、笑顔」を信条とし、暮らしや仕事における、たのしさや豊かさ、学びについての執筆や活動を続ける。著書に『今日もていねいに。』(PHPエディターズ)『しごとのきほん くらしのきほん100』(マガジンハウス)など多数。新刊は『松浦弥太郎のきほん』(扶桑社)。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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50代半ば・松浦弥太郎の新しい生き方
あれやこれや、せっせとのんびり、考えたり悩んだりのありさまを、 みなさんに見たり読んだりしてもらいたくて、作りました。いわば、松浦弥太郎による、松浦弥太郎のきほんです。(はじめにより抜粋)
50代半ばを過ぎて、日々前向きに暮らしてはいるものの、漠然とした不安やさみしさがあるといいます。
自身が撮影した写真とともに、自分を客観視しながら、いまの「松浦弥太郎」を等身大で綴った一冊。
装丁は「ミナ ペルホネン」のビジュアルブックをはじめ、数々の図録や写真集の装丁・造本を手掛けるサイトヲヒデユキさんによるもの。美しいデザイン、紙の手触り、写真の重厚感など、紙の本ならではの世界観もお楽しみください。





