(『気ままに楽しく! 大人の女ひとり旅』より)
ひとり旅で見つける「本当の自分」
ひとり旅の本質は、日常の喧騒から離れ、自分自身と向き合う貴重な時間を手に入れるところにあると私は思っています。普段の生活を漫然と続けているだけでは、自分が本当は何を感じ、何を求めているのかを見失いがちです。しかし、知らない土地でひとりきりになると、自然と内なる声に耳を傾けることができます。
朝のカフェでコーヒーを飲みながら、窓の外を行き交う現地の“日常”を眺めている時間。
電車の窓に映る自分の顔を見つめながら、これまでの人生について考える瞬間。
仕事や家事から解放されて、のんびり手足を伸ばしながら楽しむ静寂。こうした何気ない時間こそが、ひとり旅のもっとも価値ある瞬間です。
旅先では日常の役割や義務から解放されます。職場での自分、家族の中での自分、友人関係の中での自分といった「社会的な仮面」を一時的に脱ぎ捨てることができるわけです。
誰にも遠慮することなくひとりで歩き、立ち止まり、眺める。知らない場所で五感を研ぎ澄ます。細かな季節の変化を感じてみる。いつもとは異なる時間の流れに身を浸すうちに、大げさに言うならば魂が生まれ変わるような感覚すら生まれてきます。

旅のスタイルは人それぞれ。自分のペースで組み立てを
ただし、こういう旅をすれば必ずそんな時間を得られる、というセオリーがあるわけではありません。
旅のスタイルは人それぞれです。体力に自信のある人もそうでない人も、短期間で多くを見たい人ものんびりと過ごしたい人も、自分の性格と体力に合わせた最適な旅のスタイルを選ぶべきでしょう。
体力自慢なら、朝早くから動き出し、1日中歩き回って、夜も元気にナイトライフを楽しんだ翌日、ハイキングやサイクリングなどの活動量の多いアウトドア・アクティビティもやってみる、なんてこともできるかもしれません。
一方で、体力に不安のある人は、無理をせず自分のペースを大切にした旅を組み立てることが重要です(だからこそひとり旅に向いているともいえます)。
体力を温存するには1ヶ所に長く滞在し、その周辺を深く探索したり、カフェでのんびりと過ごす時間を多めに設けるなど、「いつでもストップできる」状況を常に作っておくこと。また、交通手段もタクシーや現地集合の定期観光バスなどを上手に活用すると、疲労を最小限に抑えながら旅を楽しむことができます。
体力があってもなくても無理はしない。それが旅を楽しむ最大の心得です。
本記事は『気ままに楽しく! 大人の女ひとり旅』(清流出版)からの抜粋です
〈イラスト/イオクサツキ〉
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門賀美央子(もんが・みおこ)
1971年、大阪府生まれ。フリーランス・ライター、文筆家。著書に『文豪の死に様』(誠文堂新光社)、『死に方がわからない』『老い方がわからない』『繋がり方がわからない』(以上、双葉社)、『この先の、稼ぎ方がわからない。─50歳から考えるお仕事図鑑』(清流出版)など多数。好きなものは旅と猫と酒。






