Q:何をしても“やる気が出ない”…これって五月病? 原因と対策を教えてください

朝から体がだるくて、やる気が出ません……
新年度が始まってからずっと、何をするにも気分が乗らず、やる気が出ません。
朝、目覚めた瞬間から体がだるく「ああ、会社に行きたくないなぁ」と重い気持ちになり、なかなか布団から出られない日もあります。
環境が大きく変わったというわけではないのですが、「五月病の一種かも?」と思いネットで調べてみたら、漢方の“気滞(きたい)”という言葉が出てきました。
この気分の落ち込みややる気のなさにについて、漢方的な視点でのアドバイスや、おすすめの生活習慣があれば教えてください。
(もちもちさん/40代、会社員)
A:「気虚(ききょ)」と「気滞(きたい)」が原因かも。食事・呼吸・運動で気の巡りを改善しましょう

食事と深呼吸、適度な運動で気の巡りを意識してみてください
「気虚」と「気滞」とは?漢方的な状態を理解しましょう
今回はもちもちさんからの「何をするにも気分が乗らず、やる気が出ません」というご相談にお答えします。
ご本人の感じているとおり、漢方的には「気虚」や「気滞」という状態が考えられます。
「気虚」は気が足りない、つまりエネルギー不足という状態です。
漢方ではエネルギーをとる方法を2つに分け、ひとつは「食べること」によって消化管から取るのと、もうひとつは「呼吸」をすることで肺などの呼吸器官から取り入れるというふうに考えます。
そのため、まずはバランスの取れた食事を心がけることが重要です。旬の食材を取り入れ、ゆっくりよく噛んで、お腹八分目を意識しましょう。また、「呼吸」は、新鮮な空気を深呼吸でゆっくり吸って吐くことが重要です。
「気滞」は、エネルギー自体はあるけれど、その巡りが悪く滞っている状態です。
気を巡らすには、先ほどの深呼吸に加えて、適度な運動をすることも大切です。
散歩や軽い有酸素運動、また趣味や友人とのおしゃべりなど、楽しいことを意識的に取り入れることによって、気の流れがよくなってきます。また体を温めて血流をよくすると、気も一緒に巡り始めます。
気虚・気滞におすすめの漢方薬
気虚、気滞それぞれの症状には、以下の漢方薬の方剤が用いられます。
「気虚」におすすめの漢方薬
元気をつける生薬である人参、黄耆(おうぎ)を含む方剤が使われます。
代表的なものに、元気ややる気がない人には元気を補う捕中益気湯(ほちゅうえっきとう)があります。食欲が落ちて栄養状態も悪い場合には十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)、人参養栄湯(にんじんようえいとう)などの方剤が使われます。
気滞におすすめの漢方薬
気を巡らす生薬である厚朴(こうぼく)や陳皮(ちんぴ)、蘇葉(そよう)などを含む、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)や香蘇散(こうそさん)なども使用されます。アロマテラピーも効果的です。
その他の注意点と、受診のすすめ
また、まれに元気が出ない場合には甲状腺機能低下症や貧血など内科的な病気の可能性もあります。まずは一度、内科などを受診して西洋医学的な病気が隠れていないかチェックしておくことも大切です。
西洋医学的に肉体的には異常がなく、生活習慣を整えても症状が改善されない場合には、適応障害やうつ病などの精神面の問題が関わっている可能性もあるので、心療内科や精神科への相談も検討してみてください。
今回の記事がもちもちさんはじめ、気虚、気滞でお悩みの皆様の少しでも参考になれば幸いです。
みなさんのお悩みを募集します!
来村先生に相談したい健康や心のお悩みを大募集。頭痛や漢方、更年期、冷え、疲れ……など、気になることをお気軽にお寄せください。
▼下記アンケートフォームにて、相談したい内容をご入力ください。
※ご相談内容は編集部で割愛・要約させていただく場合がございます。
※ご質問が採用される場合、編集部から個別の連絡はいたしません。
※すべてのご質問にお答えできるわけではございません。予めご了承ください。
〈イラスト/コグレチエコ〉

來村昌紀(らいむら・まさき)
頭痛専門の脳外科医として大学病院に勤務しながら漢方専門医の資格を取得。2014年、千葉県に、「らいむらクリニック」を開設。著書に『頭痛専門医・漢方専門医の脳外科医が書いた頭痛の本』『漢方専門医の脳外科医が書いた漢方の本・入門編』(ともにあかし出版)など。YouTubeチャンネル『らいむらクリニック チャンネル』でも、頭痛や漢方のお話を解説。
YouTube:らいむらクリニック チャンネル
インスタグラム:@raimura.clinic




