台湾のハーブティー「青草茶」を試してみる
市場や夜市でよく見かける「青草茶」(ハーブティー)の正体が気になっていました。青草巷に行けばヒントがあると思いましたが、種類も多く言葉も通じず、結局わからずじまいでした。
青草茶には一体どんな植物がブレンドされているのでしょうか。
台北、台中、台南と何カ所かで飲んでみましたが、どこも少し苦味があって、ごくごくと喉を鳴らして飲むというよりは、少しずつすすって飲みたいような味わいでした。

台南の市場で見つけた青草茶の屋台

想像通りの苦味と青臭さをもつ青草茶
自然食品店で見つけた雑誌『郷間小路』(2024年7月号)に「伝統的な台湾の薬草茶を楽しむ」という特集があり、読んでみると、青草茶は台湾各地でレシピや用途が異なるという、土地ごとの歴史や自然環境に根ざした飲み物だとわかりました。
ただし主要な材料は共通していて、風味を高めるためのアレンジによって、それぞれの店の違いが出ているようです。
基本となるのは、仙草(せんそう/シソ科で「仙草ゼリー」にも使われる)、咸豐草(かんほうそう/センダングサの仲間)、ミントなどで、ストレス解消や暑いときのクールダウン、消化促進などの目的でブレンドされているそうです。

薬草が山積みに
老舗が営む、青草茶のバー
前述の雑誌の「青草茶」特集で紹介されていた老舗「濟安青草行」の3代目が営む「老濟安 Healing Herbar」に行ってみました。
オリジナルブレンドの青草茶を飲ませてくれると聞きましたが、漢方薬局のような仰々しさはなく、気軽に立ち寄れる雰囲気です。
店内はカウンター席がしつらえてあり、席に着くとまずは「薬草おみくじ」に似せた問診票に記入していきます。それをもとに専門のスタッフが体調について質問し、薬草をブレンドしてくれます。

老舗の青草店が営むハーブティー屋さん
ドリッパーに分量の薬草を入れ、お湯を注いで飲ませてくれるのですが、土鍋で煮出すのでもなく、ティーポットで淹れるのでもない魅せる工夫があって楽しませてくれます。
選んだ薬草一つひとつについて、選んだ理由や役割を詳しく説明してくれますが、台湾でも効能効果を謳うことはできないそうで、あくまで体を整えるサポートとして青草茶(ハーブティー)を選んでくれる形です。
しかし遠い昔に遡れば、龍山寺詣をしていた人たちも、神頼み、薬草頼みで、神様が与えてくれた処方箋に頼って青草茶を飲んでいたことを思えば、これが本来のあるべき姿なのかもしれません。

老濟安に並ぶ薬草の数々

オリジナルの青草茶をブレンドしてもらう
〈撮影/田尾沙織 文/石丸沙織〉
石丸沙織(いしまる・さおり)
英国メディカルハーバリスト、アロマセラピスト。イギリスでハーブ医学を学んだのち、東京、香港を経て、2011年より鹿児島県奄美大島在住。地域に根差したハーバリストとして、身近なハーブを暮らしに取り入れたケアを広めている。菓子研究家・長田佳子さんとの共著に『ハーブレッスンブック』(アノニマ・スタジオ)、訳書に『フィンランド発 ヘンリエッタの実践ハーブ療法』(フレグランスジャーナル社)がある。
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メディカルハーバリストの石丸沙織さんと菓子研究家・長田佳子さんは2018年より「herb lesson」を開催してきました。ハーブのテイスティングとそのシェアリングに時間をかけ、教科書的なハーブの知識だけではなく、それらが使う人の心身にどのように響くかを大切にしています。
ハーブティー、ブレンドの考え方、ハーブバス、チンキなどのレメディ、ハーブの風味を味わうお菓子を暮らしに取り入れてみましょう。自分の感覚を大事にする、こころとからだを癒すセルフケアの方法やアイデアをご紹介します。
ハーブとの出会いを通して、新しい自分に出会える一冊です。





