• 台湾を訪れたハーバリストの石丸沙織さんに、旅のお話を聞きました。今回は、台湾の伝統的な薬草茶「青草茶」のお話です。市場や夜市で売っている青草茶の気になるお味とは? お寺参りからも人々の信仰と薬草の歴史が垣間見えます。

    台湾の暮らしに根付いた「廟」

    古都・台南では、1666年に建立され、台湾儒学の中心であり、孔子を祀った「台南孔廟」をはじめ、街角のいたるところに「廟」を目にしました。

    数が多いうえに、心なしか道も入り組んでいて、廟を目印に進もうとしても、方向音痴の私には難しく感じたほどです。

    画像: 台南の街角の廟

    台南の街角の廟

    迷い込んだ先では、奥まったところにあるどんな小さな廟でも、掃き清められ、立ち止まって手を合わせる人の姿が目に止まりました。

    廟には道教の神様だけでなく、民間信仰の神様や「関羽」のような中国文化の偉人や高貴な方々も祀られているそうです。

    市場の中にも「廟」があり、どんな神様が祀られているかはわかりませんが、廟の前を通りすがる人がみな立ち止まって手を合わせている姿に、つられて頭を下げずにはいられませんでした。

    医薬を司る「神農」を祀る廟を訪ねて

    そんな台南で、薬草を巡る旅にぴったりな「府城三協境全台開基薬王廟」を訪れました。1685年に建立された台湾最古の神農廟といわれています。

    「神農」といえば本草学の祖であり、医薬を司る神として薬王大帝と称されるにふさわしい神様です。

    画像: 薬王廟をお参りする

    薬王廟をお参りする

    ここもかつては病に苦しむ人々が訪れた場所で「薬草おみくじ」があったそうです。

    地図を眺めてみると、いまでも薬王廟に進む道すがら、ちらほらと青草店や漢方薬局があります。きっと薬草おみくじを手に、にぎわった時代があったのでしょう。

    いまでも地元の方は健康長寿や病気平癒を祈願してお参りされるそうです。ここにも、人々の暮らしに欠かせなかった薬草の姿を垣間見ることができました。

    台湾を知る、おすすめの1冊

    癒しの島』楊智凱、温祐君・著(文芸社)

    次回は、「台湾の植物園を巡る旅」のお話です。どうぞお楽しみに!

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    ▼石丸沙織さん「台湾を旅して、ハーブに出会う」そのほかのお話はこちら

    〈撮影/田尾沙織 文/石丸沙織〉

    石丸沙織(いしまる・さおり)
    英国メディカルハーバリスト、アロマセラピスト。イギリスでハーブ医学を学んだのち、東京、香港を経て、2011年より鹿児島県奄美大島在住。地域に根差したハーバリストとして、身近なハーブを暮らしに取り入れたケアを広めている。菓子研究家・長田佳子さんとの共著に『ハーブレッスンブック』(アノニマ・スタジオ)、訳書に『フィンランド発 ヘンリエッタの実践ハーブ療法』(フレグランスジャーナル社)がある。

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    『ハーブレッスンブック』(石丸沙織・長田佳子・著/アノニマ・スタジオ・刊)

    画像: 台湾のハーブティー「青草茶」を巡る旅。気になるそのお味は?薬草市場やお寺を訪ねてわかった“薬草文化”が根づいたワケ/ハーバリスト・石丸沙織さん

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    メディカルハーバリストの石丸沙織さんと菓子研究家・長田佳子さんは2018年より「herb lesson」を開催してきました。ハーブのテイスティングとそのシェアリングに時間をかけ、教科書的なハーブの知識だけではなく、それらが使う人の心身にどのように響くかを大切にしています。

    ハーブティー、ブレンドの考え方、ハーブバス、チンキなどのレメディ、ハーブの風味を味わうお菓子を暮らしに取り入れてみましょう。自分の感覚を大事にする、こころとからだを癒すセルフケアの方法やアイデアをご紹介します。

    ハーブとの出会いを通して、新しい自分に出会える一冊です。



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