(『天然生活』2019年10月号掲載)
なかしまさんは、「お菓子づくりは、がんばらなくていいんです。きれいにつくることに、こだわらないでください」といいます。売りもののように整っていなくても、心を込めているからこそ、「いつものお菓子」には、食べた人を幸せにする力があるのです。
ミルクプリンのつくり方
牛乳と豆乳、2種類の「ミルク」をごく少量の寒天で固めたやわらかいプリンです。黒蜜のほか、小豆、果物のコンポートなどもよく合います。
材料(3~4個分)
牛乳 | 200mL |
豆乳(成分無調整) | 200mL |
砂糖 | 大さじ2 |
粉寒天 | 小さじ1/2 |
〈黒蜜〉(つくりやすい分量) | |
・黒糖 | 50g |
・水 | 50mL |
きなこ | 適宜 |
つくり方
1
小鍋に砂糖と粉寒天を入れてへらでざっと混ぜ、牛乳、豆乳を少しずつなじませながらすべて加える。弱めの中火にかけ、寒天がしっかり混ざるよう、常に鍋底をこそげるようにしながら混ぜ、しっかり沸騰したら火を止める。
2
耐熱容器に1人分ずつこし入れて粗熱をとり、冷蔵庫で2時間以上冷やし固める。
3
黒蜜をつくる。小鍋に材料を入れ、へらでさっと混ぜて中火にかける(かたまりの黒糖は、水分をなじませてから、へらでつぶす)。砂糖が溶け、沸騰したら弱火にして1分煮詰め、冷ます。食べるときに黒蜜ときなこを好みでかける。
※ 寒天が少量なので、時間がたつと水分が出ます。つくった翌日には食べきるようにしてください。
※ やわらかい食感なので、1人分ずつ器に入れてつくります。
カスタードプリンのつくり方
かためのプリンが好きです。でもなめらかな食感にしたいので、低めの温度でじっくり焼きます。湯せんのお湯が熱すぎたり、オーブンの温度が高いと「す」が入りやすくなるので気をつけて。
材料(プリン型4~5個分)
卵 | 2個 |
卵黄 | 1個分 |
きび砂糖 | 40g |
牛乳 | 350mL |
バニラビーンズ(あれば) | 1/4本 |
〈カラメル〉 | |
---|---|
・きび砂糖 | 40g |
・水 | 大さじ1 |
・湯 | 大さじ2 |
ホイップクリーム(生クリームに 砂糖を入れずやわらかめに泡立てたもの) | 適宜 |
下準備
- バニラビーンズはさやに包丁で切れ目を入れて開いておく。
つくり方
1
カラメルをつくる。小鍋にきび砂糖と水を入れてへらで混ぜ、中火にかける。鍋をゆするようにしながら加熱し、全体が茶色くなりそこからもう一段茶色くなったら火を止め、湯をそっと加えて混ぜる。すぐに型に均等に注いで広げる(鍋の中でカラメルが固まってしまったら、弱火にかけて、混ぜながら溶かす)。粗熱をとって冷蔵庫に入れ、固まるまで冷やしておく。または底に保冷剤をあてるとすぐ固まる。
2
オーブンは150℃に予熱し、湯せん用の湯(60℃程度・分量外)を用意する。
3
ボウルに卵と卵黄、きび砂糖を入れ、泡立て器で卵のコシを切るようにほぐす。泡立ててしまうと気泡が入り、口あたりが悪くなるので、泡立て器を底にこすりつける感じでなじむまで混ぜる。
4
鍋に牛乳とバニラビーンズを入れて中火にかける。鍋のふちに小さな泡が出始めたら3のボウルに入れる。すぐに泡立て器でよく混ぜ、ざるでこし、型に注ぐ。
5
天板に並べ、2の湯を型の高さの半分を目安に注ぐ。1個ずつアルミホイルをかぶせ、150℃のオーブンで40分焼く。表面を触ってしっかりハリがあれば焼き上がり。
6
網の上に取り出して粗熱がとれたら冷蔵庫に入れてしっかり冷やす。表面を指先で押して側面を型から外し、逆さにして皿の上に載せる。好みでホイップクリームを添えていただく。
※ 冷めたらすぐ食べたいところですが、冷蔵庫で1日ねかせたほうが、卵の味が落ち着いてぐっとおいしくなります。
<料理/なかしましほ 撮影/大沼ショージ スタイリング/阿部まゆこ>
なかしま・しほ
新潟県生まれ。音楽、出版の仕事を経て料理の道へ。2006年「foodmood(フードムード)」の名でお菓子工房をスタートする。素朴で、やさしい味のお菓子が人気。著書に『たのしいあんこの本』(主婦と生活社)など。発起人の一人となった「保護犬と暮らすということ」(扶桑社)が、10月8日に発売予定。