おいしいパンがあれば、あとは野菜たっぷりのスープと副菜だけで、豊かな食卓になります。パンがもっとおいしくなる野菜料理を、天然酵母のベーカリー「ルヴァン」のスタッフに教わりました。今回は、「バゲット」に合う料理を3品紹介します。
(『天然生活』2018年5月号掲載)
バゲットに合わせる
食事パンの代表格、軽やかな味が特徴のバゲット。本来は皮部分の食感を楽しむパンなので、水分を多くもつスープやペーストと合わせたい。
にんじんのベジポタージュ
おいしい新にんじんが手に入ったらつくりたい、ポタージュスープ。材料は野菜と水だけ。だしも乳製品も入れない、研ぎ澄まされた味です。
材料(4人分)
● にんじん | 中1本 |
● 玉ねぎ | 中1個 |
● じゃがいも | 中2個 |
● ローリエ | 1枚 |
● 塩小さじ | 1と1/2 |
● 水 | 600ml |
● 黒こしょう | 適量 |
● オリーブオイル | 大さじ2 |
つくり方
1 にんじんは皮つきのまま1cm幅の輪切りにする。玉ねぎは薄切り、じゃがいもは皮をむき、ひと口大に切る。
2 鍋にオリーブオイルを入れ、玉ねぎ、ローリエ、塩ひとつまみ(分量外)を加えて、弱火でふたをして、じっくり蒸し煮にする。
3 玉ねぎが透き通ってきたら、にんじんを加えて、同様に蒸し煮にする。
4 にんじんがやわらかくなったら、じゃがいもを加えて、同様に蒸し煮にする。じゃがいもに火がとおったら、分量の水を加えて沸騰させる。塩を加え、弱火にして15分ほど煮込む。
5 ローリエを取り出し、ハンディブレンダーまたはフードプロセッサーにかけて、なめらかにする。味をみて、塩少々(分量外)でととのえる。皿に盛り、オリーブオイル少々(分量外)をまわしかけ、黒こしょう少々をふる。
パンと合わせるための工夫
野菜はゆでずに “蒸し煮”。うま味をしっかり引き出し、火通りも早い
紅大豆のポテトサラダ
ディップのように、パンにのせて食べたいポテトサラダ。紅大豆の代わりに大豆の水煮でも、おいしくつくることができます。(下の写真右)
材料(3〜4人分)
● 紅大豆 | 70g |
● じゃがいも | 小5〜6個 |
● 玉ねぎ | 大1個 |
● 水 | 210g |
● 塩 | 小さじ1/2 |
● 好みでこしょう | 少々 |
● オリーブオイル | 適量 |
つくり方
1 紅大豆は分量の水につけ、ひと晩おく。水ごと小鍋に移し、中火にかける。沸騰したら弱火にし、ふたをして15〜20分ゆでる。水が足りなくなったら少量ずつ加え、最後は、水分が残らないように煮ふくめ、豆がやわらかくなるまで煮る。
2 じゃがいもは皮つきのまま別の鍋に入れ、たっぷりの水を注いで火にかける。沸騰したら、ゆらゆらする程度の火加減にし、串がすっと通るまでゆでる。
3 玉ねぎは1〜1.5cm程度の角切りにする。別の鍋にオリーブオイルと玉ねぎ、塩ひとつまみ(分量外)を入れ、ふたをして、弱火で蒸し煮にする。
4 2が熱いうちに皮をむき、つぶす。1と3を加え、木べらで混ぜ合わせる。塩で味をととのえ、好みでこしょうをふる。
大豆ペーストの野菜サンド
大豆のほくほく感とクリームチーズの酸味が魅力のペーストをぬり、好きな野菜を、はみ出すくらいいっぱいのせて、頰ばりたい。(上写真の左)
材料(4人分)
● バゲット | 4切れ |
● アスパラガス | 1束 |
● 〈大豆ペースト〉 | |
・大豆 | 50g |
・水 | 250g |
・クリームチーズ | 60g |
● 塩、こしょう | 各少々 |
● オリーブオイル | 大さじ1/2 |
つくり方
1 大豆ペーストをつくる。大豆は分量の水につけ、ひと晩おく。水ごと鍋に移し、中火にかける。沸騰したら弱火にし、ふたをして30分ゆでる。水が足りなくなったら、適宜加える。ざるにあげて水をきり、ゆで汁大さじ1とともにフードプロセッサーにかける。なめらかになったらクリームチーズを加え、さらに撹拌する。
2 アスパラガスは根元のかたい皮をピーラーでむき、長さを半分に切る。フライパンにオリーブオイルとともに入れ、弱火でこんがりと焼き、塩、こしょうをふる。
3 斜め薄切りにしたバゲットに1をぬり、2をのせる。
パンと合わせるための工夫
アスパラガスは、こんがりソテー。水っぽくならず、味が凝縮される
<料理/ル・シァレ スタイリング/千國奈々子 撮影/馬場わかな 取材・文/河合知子>
ル・シァレ
東京都渋谷区富ケ谷2-43-13
TEL.03-3468-9669
天然酵母のパン屋さん「ルヴァン」併設のカフェ。群馬の農家から届く農薬不使用の野菜を使った、やさしい料理を食べられる。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです