(『天然生活』2015年4月号掲載)
あさり 旬 3~6月
地味なあさりも、よく見ると貝殻ひとつひとつに、なかなかきれいな模様がありますが、それよりも貝の中身の味はもっと素敵です。和・洋・中のジャンルを問わず、よく使用される食材として、日頃から親しまれています。
産卵前の春先には、身の膨らみが増しておいしくなります。選ぶときは、貝を横から見たときに厚みのあるものが、おすすめです。
あさりのもつ主なうま味成分はコハク酸。紹介する料理のひとつ目は、そのエキスを存分に使った茶碗蒸しです。昆布と貝だけでとったスープでつくる、とてもシンプルで、味わい深い一品です。
あさりの茶碗蒸し
あさりのおいしいエキスを存分に味わえる一品。できたても美味ですが、冷やして食べてもなかなかです。
材料(2人分)
● あさり(殻つき) | 200g |
● 卵 | 2個 |
● ゆり根 | 1/6個 |
● かまぼこ | 2切れ |
● 水 | 350ml |
● 昆布 | 5cm角3枚 |
● A | |
・塩 | 小さじ1/4 |
・薄口しょうゆ | 小さじ1/2 |
・みりん | 小さじ2 |
・酒 | 大さじ1/2 |
● B | |
・水 | 100ml |
・酒 | 小さじ1 |
● 三つ葉 | 少々 |
● あれば、ゆずの皮 | 少々 |
つくり方
1 あさりは薄い塩水(水2カップに塩大さじ1/2が目安)の中で砂出しし、殻をこすり洗いする。
2 水と昆布、あさりを鍋に入れ、中火にかけて煮立たせる。殻が開いたら昆布を取り出し、あくを取り、火を止め、ふきんなどを通してだし汁をこす。身は殻から外す。
3 ボウルに卵を溶きほぐし、冷ました2のだし汁300mlとAを加える。卵の白身が完全になじむまでよくかき混ぜ、裏ごし器などで一度こす。
4 ゆり根は一枚ずつはがし、沸騰させたBで2~3分ゆでる。
5 器に4のゆり根、2のあさりの身の2/3量を入れ、3の玉子汁を七分目まで入れる。湯気の立った蒸し器に入れ、ふきんをかぶせ、ふたを少しずらしてのせて、7~8分蒸す。
6 表面が固まってきたら、残りのあさり、食べやすく切ったかまぼこをのせ、残りの玉子汁を張り、再度6〜7分蒸す。最後に3cm長さに切った三つ葉、あれば、ゆずの皮を飾る。
<料理・スタイリング・文/長谷川弓子 撮影/川村 隆>
長谷川弓子(はせがわ・ゆみこ)
東京都出身。料理家、栄養士。明治大学卒業後、社会人経験をしたのち、近茶流宗家・柳原一成氏、柳原尚之氏に師事し、日本料理を学ぶ。現在、聖徳大学短期大学部専任講師として、調理実習等を担当する。とくに好きな魚はあじ。「海に囲まれた国に生まれたからには、ぜひ、魚料理に親しんでいただければ」
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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