• 口に入れると幸せが満ちてくる、いとしのおやつが勢ぞろい。なつかしいおやつを、桑原奈津子さんが再現してくれました。今回は、ジャンボサイズの「スイートポテト」と、ひと味違う「レーズンクッキー」のつくり方を紹介します。
    (『天然生活』2014年3月号掲載)

    スイートポテト

    香ばしい皮とポテトとのバランスがいい、しっとりスイートポテト。コッペパンみたいなジャンボサイズで、食べごたえ満点のおやつ。

    材料(さつまいも・2本分)

    ● さつまいも2本(1本400g程度)
    ● 砂糖50g
    ● 卵黄2個分
    ● 純生クリーム(乳脂肪分45%)60ml
    ● ラム酒小さじ2

    つくり方

     さつまいもは洗い、水けをふく。アルミホイルを敷いた厚手の鍋に入れてふたをして、竹串がスッと通るまで弱火で焼く。途中、裏返して1時間ほど加熱する。

     を縦に半分に切り、一方は皮を残してスプーンで中身をくりぬく。もう片方は皮をむく。

     フードプロセッサーにの中身(正味約500g)と、砂糖を入れて回す。卵黄の3/4量、生クリーム、ラム酒を加え、なめらかになるまで回す。

     の皮に、を詰める。手でこんもりと形を整え、残りの卵黄を表面にぬる。

     200℃に温めておいたオーブンで20分ほど焼く。

    レーズンクッキー

    上質なバターや粉類、ラム酒漬けのレーズンなどをたっぷり使うことで、市販のレーズンクッキーとは、ひと味違う、おいしさに仕上がります。

    材料(約5cmの正方形・28枚分)

    ● ラム酒漬けレーズン200g
    ● 薄力粉150g
    ● ベーキングパウダー(あればアルミニウムフリーのもの)小さじ1/2
    ● バター(食塩不使用)60g
    ● 砂糖30g
    ● 塩ひとつまみ
    ● 加糖練乳30g
    ● 全卵40g

    下準備

    ・バターを室温にもどす。

    ・薄力粉、ベーキングパウダーを合わせてふるいにかける。

    つくり方

     ボウルにバターを入れ、ゴムべらでクリーム状に練る。砂糖、塩を加え、白っぽくなるまですり混ぜる。練乳、卵、レーズンを順に加えて、そのつど、よく混ぜる。ふるった粉類を加え、粉っぽさがなくなるまで混ぜる。

     ラップで上下をはさみ、めん棒で横35×縦20cmの長方形にのばす。冷蔵庫で約1時間、休ませる。上のラップを外し、包丁で5cm角に切る。

     オーブン用シートを敷いた天板に3mmほど間隔をあけて並べ、上に溶き卵(分量外)を、はけでぬる。180℃に温めておいたオーブンで10分ほど焼く。すぐにケーキクーラーの上にのせ、粗熱が取れたら保存袋に入れて冷ます。

    ※ ※ ※

    見ていると胸がキュンとするような、なつかしのおやつ。食べると幸せな気分に包まれて、頰がほころびます。

    昔から親しんできた味をよりおいしく再現したかった、と桑原奈津子さん。なつかしのおやつで思い出すのは、「子どものころ、近所のパン屋さんで買っていたレモンケーキや、母の手づくりのジャパニーズワッフル。どちらも、かわいくて大好きでした」。

    「お菓子のイメージをくずさず、家にある材料で、より安全に、おいしくつくれたらなと。チョコスティックやレーズンクッキーは、実際のサイズも測って実験したりして。大きかったり曲がったりするけど、見た目のかわいさも考えながらつくると楽しいんです。あとは、ちょっと上質なバターを使うと、よりおいしくできるかな」

    ぱっと見たら焼きいもみたいな、スイートポテトも絶品です。



    <料理/桑原奈津子 撮影/清水奈緒 スタイリング/阿部まゆこ 取材・文/花沢理恵>

    桑原奈津子(くわはら・なつこ)
    カフェのキッチンとベーカリー、製粉会社の食品開発室、加工でん粉会社研究職を経て、2004年に料理家として独立。スタイリングも行い、雑誌、書籍、広告を中心に活躍している。著書に『卵・乳製品・小麦粉なし 作ってあげたい子どものおやつ』(KADOKAWA)ほか多数。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです


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