(『天然生活』2013年8月号掲載)
コーヒースパイスのアイスクリームのレシピ
コーヒーに、シナモンとクローブの複雑な味をつなげるのは、隠し味のラム酒。甘くて濃厚なコーヒーとスパイスのコクが楽しめるのに、後味すっきり。
材料(つくりやすい分量)
● 卵黄(Lサイズ) | 2個分 |
● きび砂糖(またはグラニュー糖) | 40g+45g |
● コーンスターチ | 小さじ1 |
● コーヒー(濃いめにドリップしたもの) | 70ml |
● 牛乳 | 200ml |
● シナモンスティック | 1/2本 |
● クローブ | 3粒 |
● 生クリーム(乳脂肪分45%) | 120ml |
● ラム酒 | 小さじ1/2 |
つくり方
1 ボウルに卵黄を入れて軽くときほぐし、きび砂糖40gを加え、白っぽくなるまでしっかりと泡立て器で混ぜる。コーンスターチを加え、粉っぽさがなくなるまでよく混ぜる。
2 鍋にコーヒー、牛乳、細かくくだいたシナモンスティック、クローブ、きび砂糖45gを入れる。弱火で沸騰直前まで温め、いったん火を止める。1を少しずつ加えながら、そのつど混ぜる。
3 2の鍋をふたたび弱火にかけ、こげつかないよう木べらで混ぜ、とろみがつくまで温める。火からおろし、裏ごしして、冷ます。
4 ボウル(あればステンレス製がよい)に生クリームを入れ、底に氷水を当て、泡立て器で六分立てに泡立てる。
5 4に3、ラム酒を加えてよく混ぜ、冷凍庫で冷やす。
6 周りが少し固まりはじめたら、泡立て器でよく混ぜ、全体を均一にする。この作業を3回ほど繰り返す。そのあと、しっかり固まるまで、約30分おきにスプーンで混ぜる。
◇ ◇ ◇
かわいいアイス
千葉奈津絵さんの工房を訪ねると、薄桃色や、淡い黄色のかわいいアイスが勢ぞろい。
桃とバニラビーンズ、オレンジとローズマリー、コーヒーとスパイスなど、素材同士の組み合わせが、なんとも魅力的です。千葉さんのつくる焼き菓子にも、よく登場する組み合わせなのだそう。
「ふんわり濃厚な口溶けのジェラートやシャーベット、口にふくむと儚く溶けるグラニテは、砂糖の分量や配合を工夫して、さっぱりとした仕上がりに。ですから、おやつにも、食後のデザートにもぴったり。そして、仕上がりのよさにつなげるポイントは、道具。均一によく冷える、ステンレス製のボウルを使うといいですよ」
まだ小さかった千葉さんのアイスクリームの記憶は、本当はゆっくり食べたいのに、溶ける前に食べなきゃと、子ども心に、いつもそんな葛藤を抱いていたこと。
「あわてて食べると、こめかみのあたりがツーンとして、なんだか切ない。そういう部分をひっくるめて、アイスクリームは、魅力的なおやつだったのかもしれません」
そう教えてくれました。
〈料理/千葉奈津絵 撮影/kumonmiwa スタイリング/前田かおり 取材・文/花沢理恵〉
千葉奈津絵(ちば・なつえ)
調布市深大寺にておやつ屋「dans la nature」(ダン・ラ・ナチュール)を一人で営む。月に数回の工房販売と不定期に行う『宅配おやつ』で主に焼き菓子を販売。
https://www.danslanature.net/
https://www.instagram.com/danslanature/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです