(『天然生活』2013年8月号掲載)
かわいいアイス
千葉奈津絵さんの工房を訪ねると、薄桃色や、淡い黄色のかわいいアイスが勢ぞろい。
桃とバニラビーンズ、オレンジとローズマリー、コーヒーとスパイスなど、素材同士の組み合わせが、なんとも魅力的です。千葉さんのつくる焼き菓子にも、よく登場する組み合わせなのだそう。
「ふんわり濃厚な口溶けのジェラートやシャーベット、口にふくむと儚く溶けるグラニテは、砂糖の分量や配合を工夫して、さっぱりとした仕上がりに。ですから、おやつにも、食後のデザートにもぴったり。そして、仕上がりのよさにつなげるポイントは、道具。均一によく冷える、ステンレス製のボウルを使うといいですよ」
まだ小さかった千葉さんのアイスクリームの記憶は、本当はゆっくり食べたいのに、溶ける前に食べなきゃと、子ども心に、いつもそんな葛藤を抱いていたこと。
「あわてて食べると、こめかみのあたりがツーンとして、なんだか切ない。そういう部分をひっくるめて、アイスクリームは、魅力的なおやつだったのかもしれません」
そう教えてくれました。
桃とバニラのジェラートのレシピ
ふんわりとした桃の甘い香りを引き立てるのは、バニラビーンズの役目。レモンを加えて後味さっぱりの、暑い日にうれしいジェラートです。
材料(つくりやすい分量)
● 桃(中) | 1個 |
● グラニュー糖 | 70g+30g |
● 水 | 200ml |
● レモン汁 | 小さじ1 |
● 生クリーム(乳脂肪分45%) | 100ml |
● バニラビーンズ(さやから取り出す) | 1/2本 |
つくり方
1 鍋にグラニュー糖70g、水を入れて火にかけ、沸騰させる。皮と種を取り除き、くし形に切った桃、レモン汁を加え、落としぶたをして弱火で煮る。桃が透き通ってきたら、火を止めて冷ます。桃の果肉のみを取り出す(*)。
2 1の桃の果肉とグラニュー糖30gを、ミキサーまたはフードプロセッサーで攪拌し、ピューレ状にする。
3 ボウルに生クリームを入れ、底に氷水を当て、泡立て器で六分立てに泡立てる。
4 ボウル(あればステンレス製がよい)に、2と3、バニラビーンズを合わせ、冷凍庫で冷やす。
5 周りが少し固まりはじめたら、泡立て器でよく混ぜ、全体を均一にする。この作業を3回ほど繰り返す。そのあと、しっかり固まるまで、約30分おきにスプーンで混ぜる。
*残ったシロップは、炭酸で割って飲むとおいしい。
〈料理/千葉奈津絵 撮影/kumonmiwa スタイリング/前田かおり 取材・文/花沢理恵〉
千葉奈津絵(ちば・なつえ)
調布市深大寺にておやつ屋「dans la nature」(ダン・ラ・ナチュール)を一人で営む。月に数回の工房販売と不定期に行う『宅配おやつ』で主に焼き菓子を販売。
https://www.danslanature.net/
https://www.instagram.com/danslanature/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです