(『天然生活』2013年7月号掲載)
歯みがき後の仕上げのケア
仕上げに使うことで、歯みがきの効果をより高めてくれるアイテムも。自分の口内環境に合ったものを取り入れて。
デンタルリンスの選び方
デンタルリンスを使うと、歯だけでなく舌や歯ぐき、粘膜など、口内全体の細菌を除去でき、より虫歯に強い環境が整います。アルコールを含むタイプはスーッとした爽快感をもたらしますが、口の粘膜から潤いを奪ってしまう作用もあります。口の乾きが気になる人や、口臭予防に使う場合は、ノンアルコールタイプを選びましょう。
口の乾きには保湿ジェルを
女性は40代からホルモンバランスが変化し、それにともなって口が乾きやすくなることも。唾液にも含まれる天然酵素・ラクトフェリンを配合した口内用の保湿ジェルを塗ると不快感が和らぎます。ほかにも歯を強化するフッ素スプレーなどさまざまなデンタルケアアイテムがあるので、悩みや目的に合わせて活用するとよいでしょう。
“いつものこと” とあきらめがちなトラブルにも
口内ケアのコツ
3カ月ごとに歯科医での歯石ケアを
しっかり歯みがきをしている人でも、歯石は数カ月ごとに発生してしまいます。歯周ポケットに入り込んだ歯石は歯ブラシでは落とせないので、3~6カ月に一度は歯科医で歯石を除去しましょう。同時に、みがき残しはないか、虫歯はないかなど、口内環境について歯科医からのアドバイスを仰ぐことも大切です。
繰り返す口内炎には
疲れがたまったりビタミン不足になったりすると、免疫力が落ちて口内炎ができやすくなります。改善するには、疲れをためず、ビタミンB・Cを十分にとること。また、歯みがきをしっかり行い、よく嚙んで唾液をたくさん出すことで、粘膜を攻撃する細菌を洗い流しましょう。できてしまった口内炎も、早く治ります。
あごが外れる・あごが痛いとき
あごを動かしたときにカクカク鳴る人は、顎関節症の予備軍かもしれません。症状が進むと痛みが出たり、口が開かなくなったりします。顎関節症は日々の習慣が招くことも多いそう。食事のときに片側だけで嚙む、無意識に歯をくいしばるなどの癖は改善しましょう。気になる場合は、歯科医または歯科口腔外科に相談を。
食後のガムを習慣に
唾液は歯のエナメル質の修復に役立つカルシウムなどを含み、口内の汚れや細菌を洗い流すなど、歯の健康を支えるために不可欠な存在。唾液は嚙むことでよく出るので、食後にガムを5~10分間ほど嚙み、唾液の分泌を促しましょう。その際、酸をつくらないキシリトール100%のガムを選ぶことが重要です。
歯の黄ばみ・黒ずみ対策
歯の黄ばみや黒ずみは、原因の多くが「ステイン」と呼ばれる、食べ物の色素による着色汚れです。予防するには、ステインを浮き上がらせて落ちやすくする「ピロリン酸ナトリウム」配合の歯みがき粉が効果的。ふだん、研磨剤不使用の歯みがき粉を使っている人も、ときどきはステインを除去する作用のあるものを使用し、歯の白さを保ちましょう。
口内ケアはたるみ予防にも効果的
歯ぐきがやせると、そこにつながる顔の筋肉もやせ、口元のたるみにつながります。専用ブラシで歯ぐきをマッサージし、相乗効果で口元のたるみも改善しましょう。マッサージブラシは、シリコン製で適度な刺激を与えるもの、高密度植毛の柔らかいものなどがあるので、好みに合った使い心地のものが選べます。
歯ブラシの交換は1カ月ごとに
多くの人が歯ブラシを3カ月以上使うというデータがありますが、1カ月以上使った歯ブラシは毛先が広がり、歯垢を落としにくくなります。風通しのよい場所で保管し、1カ月ごとに交換しましょう。電動歯ブラシの場合、各メーカーの推奨する交換時期を参考に、こまめに交換を。
〈取材・文/神坐陽子 イラスト/山下アキ〉
酒向淳(さこう・じゅん)
医学博士。メガデントジャパン代表取締役。東京・銀座でドイツ生まれのオーラルケア専門店「メガデント」を営む。オリジナルブランド「Johny」を中心に、高品質のケア用品を取り扱う。
http://www.megadent.co.jp/
山下アキ/イラスト(やました・あき)
パレットクラブ、安西水丸塾受講。上田三根子氏のアシスタントを経てフリーランスとなる。線画、点描のタッチを特徴とするイラストレーションを軸に書籍、雑誌、広告なとで活動中。2017年よりANA機内誌『翼の王国』で絵と文で全国の宿を紹介する「宿と一日」を不定期連載中。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです