(『天然生活』2015年7月号掲載)
飛田家のカレーライス
「くり返しつくる料理って、自分もだけれど、結局、家族も喜ぶもの。改めて考えてみると、特別なメニューって、ほとんどないのね」
カレーは、実にオーソドックス。
いまどきの、さらりとしたスパイシーなカレーは、なぜか家族にはそんなに受けがよくないようで、家族みんなが食べたがるのは野菜がごろごろ入ったカレー。
ルーを使った、飛田さんいわく、 “昭和なカレー” が、家族のお気に入りです。
この場合は、お肉にこだわりがあって、なぜか絶対に豚バラ。
「せっかく、ルーのカレーなんだから、牛肉なんか入れたら高級になっちゃうじゃないか」との、ご主人の意見を尊重した結果です。
「結局、そういう味が飽きないのよ。カレーに白菜が入ることもあるし、豚汁も季節ごとに、まったく具材が替わる。冷蔵庫の掃除的なメニューだから、その日にあるものをどんどん入れちゃって、味も、そのつど変わっていくし」
冷蔵庫の掃除といいながら、おなじみメニューに、季節の素材を気軽に加えて。
飛田さんの家で繰り返しつくられているのは、いつもの味に安心しつつ、旬を味わえる料理です。
カレーライスのつくり方
おうちのカレーライスは、昔ながらの味が安心。
玉ねぎは炒めすぎず、やや食感を残したほうが雰囲気が出ます。
材料(4人分)
● 豚バラ切り落とし肉 | 150g |
● 玉ねぎ | 1個 |
● にんじん | 1本 |
● じゃがいも | 3個 |
● しょうが(みじん切り) | 1片分 |
● バター | 大さじ1 |
● コンソメキューブ | 1/2個 |
● カレールー(フレーク状) | 大さじ6~7 |
● しょうゆ | 小さじ2 |
● ごはん | 適量 |
● らっきょう漬け | 適量 |
つくり方
1 玉ねぎは3cm角に、にんじんは半月切りに、じゃがいもは皮をむいて4等分に切る。肉は食べやすい大きさに切って軽く塩・こしょう(分量外)する。
2 鍋にバターを入れ、溶けてきたらしょうがを炒める。香りが出てきたら玉ねぎを加えてしんなりするまで炒め、豚肉、にんじん、じゃがいもの順に加えながら炒めていく。
3 全体にバターがからんだら、5カップ程度の水(分量外)とコンソメを加え、15分ほど煮る。
4 一度、火を止め、カレールーを加えて混ぜる。
5 弱めの中火にかけてルーをよく煮溶かし、しょうゆで味をととのえる。
6 器にごはんをよそい、たっぷりとカレーをかけ、らっきょう漬けを添える。
〈撮影/川村 隆 取材・文/福山雅美〉
飛田和緒(ひだ・かずを)
1964年、東京都生まれ。高校3年間を長野で過ごし、山の幸や保存食のおいしさに開眼する。現在は神奈川県の海辺の魚がおいしい町で、夫と娘との3人で暮らす。毎日無理なく続けられる、作りやすい食材を使った、シンプルでおいしい料理が人気。著書に、『常備菜』(主婦と生活社)、『飛田和緒さんのかぞくごはん』(小学館)、『飛田和緒の郷土汁』(世界文化社)、『いちばんおいしい野菜の食べ方』(オレンジページ)など多数。2020年11月に『くりかえし料理』の新装版 が扶桑社より発売。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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