(『天然生活』2016年1月号掲載)
アーユルヴェーダの3つの体質タイプ
風(Vata:ヴァータ)
活動的で、情報量も多い。瞬発力はあるが持続力がないので、疲れやすい。不眠にもなりやすいので、こまめに休んだり、ときには、何もしない空白の時間をつくることが大切。
火(Pitta:ピッタ)
熱血漢。リーダータイプ。使命感が強く、疲労を感じにくいので、意識して休息をとることが大事。ときどき甘いもので体を冷やすのもおすすめ。目の充血や口内炎は、火の乱れ。
水(Kapha:カファ)
競うことが苦手でマイペース。基本的に体は丈夫だが、体内に未消化物が滞りやすい。とくに春先は鼻が詰まったり気分も塞ぎがち。元気になるには運動が最も効果的。
アーユルヴェーダのオイル活用術
デトックスに絶大な効果を発揮するオイルを体質タイプに合わせて。気軽にできて、気持ちよさも味わえるマッサージ法などを紹介します。
「アーユルヴェーダにおけるオイルとは、デトックスのために必要なもの。毒素を体の外に出しやすくするために使うものです」
オイルを体に浸透させることによって、老廃物を浮かせます。それを汗や排泄物によって、体外に出すのです。
そのため、オイルマッサージは、入浴時など、発汗とセットで行うのがおすすめ。
「基本的に使われるのはセサミオイルですが、体質や季節によって、ココナッツオイルと使い分けてもいいですね。オイルマッサージを続けると、デトックス効果によって肌や髪のつやがよくなったり、おなかの底から、ふつふつと力がみなぎってきて、やる気が出てきたりします。気持ちもオープンになるなど、いいことずくめですよ」
オイルでの口ゆすぎもおすすめ、という池田さん。
口の中がすっきりするほか、続けていくうちに、味覚が高まったり、虫歯予防にもなったりするそうです。
気軽にできて気持ちいい、アーユルヴェーダのオイルマッサージ
耳のマッサージ
端をぎゅっとつまむように
オイルを手に取り、耳の上の部分を、親指と、人さし指、中指で挟み、耳たぶに向かって、ぎゅっぎゅっともんでいく。硬いところや痛いと感じるところは、よりていねいに。血行がよくなり、体がぽかぽかしてくる。
折ったり、ねじったりも
耳を顔につけるように折り曲げ、しばらくしてから戻す。次に、耳たぶをつかんで、耳元から回転させるようなイメージで、ぎゅっとねじり上げる。これを数回繰り返す。顔色がよくなるほか、目の疲れも軽くなる。
足のマッサージ
足首から下を満遍なく
くるぶしからスタートして、足の甲、かかと、足裏、つま先を、オイルの付いた手で、やさしくさすっていく。指の間にもオイルをぬる。冷え性で悩んでいる人は、セサミオイルを使うと、足先の冷え性対策にもなる。
頭のマッサージ
頭皮にオイルを浸透させて
髪の毛の中に手を分け入れて、頭皮に満遍なくオイルを浸透させることを意識する。両手の指をすべて使って、耳の上部分の後ろあたりから頭頂部へ向けて、指の腹で頭皮をもみ込むように動かしていく。
後頭部をもむのもお忘れなく
耳たぶの後ろにある左右のくぼみに両手の親指を置き、下から上に向かって、押さえるようにして、もんでいく。あまり頭で考えすぎず、気持ちいいと感じるところを長めにマッサージするのがおすすめ。
〈撮影/柳原久子(https://water-fish.co.jp/) 取材・文/嶌 陽子 イラスト/榎本マリコ(Taiko&Associates)〉
池田早紀(いけだ・さき)
HP:http://ayurveda-foryourlife.com/
アーユルヴェーダカウンセラー&セラピスト。
◆ インド国立グジャラート・アーユルヴェーダ大学提携 日本アーユルヴェーダスクール「アーユルヴェーダライフスタイルカウンセラー」 「アーユルヴェーダヒーリング コンサルタント」
◆ 米国補完医療大学「Ayurvedic Medicine Practitioner」
◆ 中国衛生省認定 中国足部反射区健康法足反射療法士
大学在学中より3000年以上前からの癒しの原点「アーユルヴェーダ」に携わり 、インド、中国、東南アジア、東欧、北欧など世界各国で研鑽を続ける。ヨーガスタジオ講師、クリニックでのカウンセラー勤務などを経て2009年にセラピストとして独立。Apple表参道、坂本龍一『健康音楽』などイベント、講演会も多数。銀座SISEIDO THE TABLEのレシピ監修。南風食堂・三原寛子先生とのアーユルヴェーダの暮らしと食の教室 "mahat tuning{target="_blank" rel="nofollow noopenner"}"は今年で6期目を迎える。山形ビエンナーレ2020では参加型のアーユルヴェーダプロジェクトを開催。トリートメントは東京都世田谷区の市中の静かでクラシックな一軒家Atelier Asha 105にて完全予約制。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです