(『天然生活』2016年1月号掲載)
アーユルヴェーダの3つの体質タイプ
風(Vata:ヴァータ)
活動的で、情報量も多い。瞬発力はあるが持続力がないので、疲れやすい。不眠にもなりやすいので、こまめに休んだり、ときには、何もしない空白の時間をつくることが大切。
火(Pitta:ピッタ)
熱血漢。リーダータイプ。使命感が強く、疲労を感じにくいので、意識して休息をとることが大事。ときどき甘いもので体を冷やすのもおすすめ。目の充血や口内炎は、火の乱れ。
水(Kapha:カファ)
競うことが苦手でマイペース。基本的に体は丈夫だが、体内に未消化物が滞りやすい。とくに春先は鼻が詰まったり気分も塞ぎがち。元気になるには運動が最も効果的。
アーユルヴェーダのスパイスティー
ちょっとした体調不良には、ぜひスパイスティーを飲んで対処しましょう。体質や季節に応じた体調管理にも有効です。
咳や鼻づまりにおすすめ
黒こしょうの豆乳ホットチャイ
水(カファ)に、とくにおすすめ
材料(2人分)
● 粗挽き黒こしょう | 少々 |
● すりおろしたしょうが | 少々 |
● 紅茶の茶葉(ティーバックの中身でも可能) | 小さじ2 |
● シナモンパウダー | 少々 |
● 豆乳 | 300ml |
● 水 | 100ml |
● メープルシロップ | 大さじ2 |
つくり方
1 鍋に粗挽き黒こしょう、すりおろしたしょうが、紅茶の茶葉、水を入れ、沸騰したら弱火で5分ほど煮出す。
2 豆乳を入れ再び3分ほど火にかける。カップに注ぎ、メープルシロップを入れ、シナモンパウダーをふりかけ完成。
◇ ◇ ◇
池田さんがインドに滞在中、印象に残った飲み物がありました。
「ムンバイの空港のお店でチャイを飲んだとき、黒こしょうが入っていて、びっくりしたんです。ぴりりとスパイスが効いていて、冷えていた体も温まりました。寒い、冬の朝にはぴったりでした」
インドでは、スパイスの使い方は地方によってまったく違うそう。気候に応じて、体を元気に保つため、スパイスの種類や量、配合を変えていくのが、現地の人々の暮らしの知恵なのです。
「アーユルヴェーダでは、スパイスは食事と薬の中間にあるものと位置づけられています。ちょっとした不調のチューニングに効果のあるものが多く、家庭で気軽に取り入れられる『キッチンファーマシー』なんです」
スパイスは、もちろん料理にも使われますが、気軽に取り入れやすいのはスパイスティー。消化不良や冷え性など、個別の症状を改善してくれます。
とくに症状がないときでも、火・風・水の、自分の体質に合ったスパイスティーを飲むと、増えすぎてしまいがちなエネルギーが抑えられ、体調を整えられるそうです。
「冬にはしょうがを、夏には体のほてりを冷ます作用のあるコリアンダーティーを。季節に合わせて、お茶を替えてもいいですね」
〈撮影/柳原久子(https://water-fish.co.jp/) 取材・文/嶌 陽子 イラスト/榎本マリコ(Taiko&Associates)〉
池田早紀(いけだ・さき)
HP:http://ayurveda-foryourlife.com/
アーユルヴェーダカウンセラー&セラピスト。
◆ インド国立グジャラート・アーユルヴェーダ大学提携 日本アーユルヴェーダスクール「アーユルヴェーダライフスタイルカウンセラー」 「アーユルヴェーダヒーリング コンサルタント」
◆ 米国補完医療大学「Ayurvedic Medicine Practitioner」
◆ 中国衛生省認定 中国足部反射区健康法足反射療法士
大学在学中より3000年以上前からの癒しの原点「アーユルヴェーダ」に携わり 、インド、中国、東南アジア、東欧、北欧など世界各国で研鑽を続ける。ヨーガスタジオ講師、クリニックでのカウンセラー勤務などを経て2009年にセラピストとして独立。Apple表参道、坂本龍一『健康音楽』などイベント、講演会も多数。銀座SISEIDO THE TABLEのレシピ監修。南風食堂・三原寛子先生とのアーユルヴェーダの暮らしと食の教室 "mahat tuning{target="_blank" rel="nofollow noopenner"}"は今年で6期目を迎える。山形ビエンナーレ2020では参加型のアーユルヴェーダプロジェクトを開催。トリートメントは東京都世田谷区の市中の静かでクラシックな一軒家Atelier Asha 105にて完全予約制。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです