なるべくごみを増やさず、ごみをごみにしないために、できることはたくさんあります。日常のなかで心がけられること、変えていけることを、エッセイストの柳沢小実さんに聞きました。
(『天然生活』2021年2月号掲載)
(『天然生活』2021年2月号掲載)
柳沢小実(やなぎさわ・このみ)
エッセイスト。日本大学芸術学部写真学科卒業。整理収納アドバイザー1級。衣・食・住・旅・台湾にまつわる著書多数。近著に『おうち時間のつくり方』(大和書房)
エッセイスト 柳沢小実さん
次の持ち主へバトンする
私にとって、使わないものをため込むことはストレスです。
幸いわが家は来客が多いので、15年ほど前から、部屋のだれの目にもつくところに「ご自由にどうぞ箱」をおき、十分使いきったものも、あまり使えていないものも入れてお譲りしています。
私は、服でも皮製品でもお手入れしてきれいに使う方なので、よい状態でお譲りできていると思います。「これを選ぶかー」「これを読むのかー」というコミュニケーションも楽しい。
ものとのつきあいは、比較的長いスパンで考えているので、買いものの際は、服でも家具でも、直せるかどうかを必ず聞きます。実家から譲り受け、直して、長く使いつづけている家具も。
ただ、選ぶものすべてが一生ものでなくてもよいと思うのです。年齢、仕事、家族の状況などにより、暮らし方や必要なもの、数が変わっていくのは自然なことです。
ものを譲り、譲られて暮らす、お金だけではない関係が、これからもっと増えていくのではないかと思います。
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〈構成・文/保田さえ子〉
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです