なるべくごみを増やさず、ごみをごみにしないために、できることはたくさんあります。日常のなかで心がけられること、変えていけることを、「ロータスグラノーラ」主宰の服部麻子さんに聞きました。
(『天然生活』2021年2月号掲載)
(『天然生活』2021年2月号掲載)
服部麻子(はっとり・あさこ)
神奈川県葉山町、カリフォルニアのバークレー、南インドのチェンナイ、京都市左京区を経て、2014年秋、高知県に移住。週1回のカフェ「ロータスグラノーラ」をオープン。
「ロータスグラノーラ」主宰 服部麻子さん
直しながらずっと使う
これだけものが飽和した世の中で、直しながら使うことは、最もエコな行為だと思っています。基本的に自分の身近な範囲で、ほぼエネルギーを使わずに完結できるからです。
私の場合、服を含めた布製品、器、電化製品、家具、生活道具は、壊れたらまず、「だれに相談しよう」と考えます。
自分では、ゆるんだネジをドライバーで締めるくらいしかできないので(笑)、身近に頼り合える関係をつくるんです。
私なら、親、手づくりの上手な友人、木工が得意な知人、親しい古道具屋さん、近所の電気店など。
先日は、やかんのふたのつまみが壊れ、木工をする知人に頼んだら、木のつまみにつけ替わり、また新たな素晴らしさに変わっていました。
「助けてもらった」物語が組み込まれ、大事に使うようになるから、より長持ちするようになり、結果としてごみが減るんです。
きっと、捨てて買ったほうが効率はいいのでしょうけれど、非効率のなかにこそ豊かさがあると、私は感じています。
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〈構成・文/保田さえ子 イラスト/山元かえ〉
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです