• 昨日今日明日が連なり、ただ過ぎていくように感じる日々に、句読点を打ち、節目を感じる役目をするのが季節の行事。仕事やおつきあいなどの予定とともに、昔から続く行事もカレンダーなどに書き出し、暮らしのなかで実践する、季節ごとの楽しみをつくりませんか? 2月に楽しむ行事を「いとよし」の尾﨑美香さんに教わります。
    (『天然生活』2024年2月号掲載)

    2月|如月

    季節を分ける「節分」。草木も芽吹くころ

    節分のしつらい

    画像: 三方は神具店や、ホームセンターなどで購入できる。お正月の鏡餅や月見団子を盛っても

    三方は神具店や、ホームセンターなどで購入できる。お正月の鏡餅や月見団子を盛っても

    節分のしつらいはすべて鬼を祓うためのもの。魔を滅する豆、トゲが鋭い柊(目をつく)、ウルメイワシ(におい)、豆殻(音)など。それらを赤い奉書(厄除け)を敷いた枡に入れて。

    三方に盛ると雰囲気が出ます。三方は年中行事でいろいろと使え、ひとつあると便利。

    味噌づくり

    画像: 味噌づくり

    寒い時季に仕込み、気温の上昇とともに発酵が進むので、2月は味噌づくりの季節。単調で少し億劫な作業なので、みんなで集まってつくると楽しい。

    仕込んだ味噌のふたに葉蘭を使ったら、カビがほとんど出ずにとてもきれいにできました。樽の形にカットしてふたに。

    立春の椿のしつらい

    画像: 和紙椿の中心はコルクを使用。切り込みを入れた和紙を巻きつけてしべに見立てている

    和紙椿の中心はコルクを使用。切り込みを入れた和紙を巻きつけてしべに見立てている

    春の木と書いて椿は、まさに春を告げる花。とはいえ、新暦の2月に椿の花は時季が早いので、絵馬、手ぬぐいなど椿の柄のものを飾りましょう。

    赤や白の和紙を花びらの形に切って貼り合わせて椿をつくっても。年賀状代わりに立春大吉のはがきを出すのも素敵です。

    ※ 「いとよしさんに聞く、春夏秋冬 暮らしの行事ごよみ」は、『天然生活』2024年2月号、P.28~33に掲載されています



    <監修/尾﨑美香(いとよし) イラスト/赤池佳江子 取材・文/鈴木麻子>

    尾﨑美香(おざき・みか) 
    大手化粧品メーカー退社後に「室礼三千」で年中行事を学び、「いとよし」を立ち上げる。初の著書『季節の行事と いまどきのしつらい手帖』(エクスナレッジ)を2024年2月に出版予定。
    https://ito-yoshi.com/

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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