昨日今日明日が連なり、ただ過ぎていくように感じる日々に、句読点を打ち、節目を感じる役目をするのが季節の行事。仕事やおつきあいなどの予定とともに、昔から続く行事もカレンダーなどに書き出し、暮らしのなかで実践する、季節ごとの楽しみをつくりませんか? 11月に楽しむ行事を「いとよし」の尾﨑美香さんに教わります。
(『天然生活』2024年2月号掲載)
(『天然生活』2024年2月号掲載)
11月|霜月
木枯らし一番が吹くと、街路樹が一気に色づきます
紅葉狩り
最低気温が8℃を下回ってくると紅葉がぐっと進みます。昼と夜の寒暖差が大きいほうが、紅葉がきれいなのだそう。
紅葉の名所もいいけれど、里山のなかの紅葉も素朴で素敵なのです。ヨーロッパなどでは赤い紅葉はあまりないのだそうです。
亥の子のしつらい
旧暦の10月に行われる刈り上げ祭。関西では亥の子、関東で十日夜(とおかんや)。
藁鉄砲を手にした子どもたちが近所の家を回り、地面を叩いて邪気を祓う代わりにお菓子をもらったりしたそうで、日本版のハロウィンですね。関西の亥の子餅も有名です。
酉の市
11月の「酉の日」に行われるお祭り。酉の日は12日周期でやってきます。
開運、商売繁盛など「福を掻き込む」熊手の市が神社の境内に立ちます。
おかめや俵、小判など縁起物がたくさん付いていて、買うと手締めが行われる、威勢のいいお祭り。
いよいよ年末、という気分に。
※ 「いとよしさんに聞く、春夏秋冬 暮らしの行事ごよみ」は、『天然生活』2024年2月号、P.28~33に掲載されています
<監修/尾﨑美香(いとよし) イラスト/赤池佳江子 取材・文/鈴木麻子>
尾﨑美香(おざき・みか)
大手化粧品メーカー退社後に「室礼三千」で年中行事を学び、「いとよし」を立ち上げる。著書に『季節の行事と いまどきのしつらい手帖』(エクスナレッジ)。
https://ito-yoshi.com/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです