昨日今日明日が連なり、ただ過ぎていくように感じる日々に、句読点を打ち、節目を感じる役目をするのが季節の行事。仕事やおつきあいなどの予定とともに、昔から続く行事もカレンダーなどに書き出し、暮らしのなかで実践する、季節ごとの楽しみをつくりませんか? 9月に楽しむ行事を「いとよし」の尾﨑美香さんに教わります。
(『天然生活』2024年2月号掲載)
(『天然生活』2024年2月号掲載)
9月|長月
日も短くなり、季節は秋へと移ります
重陽の節句
3月3日、5月5日、7月7日と奇数が重なる日は節句ですが、一番めでたい数字9が重なる9月9日の節句はあまり浸透していないですね。
長寿を願い、菊を飾ったり食べたり。私は「菊玉」をつくり、さっとゆでた食用菊をごはんに混ぜて楽しみます。
十五夜のしつらい
涼しくなってきたころ、満月を見て楽しむのは古来より続く秋の風習。
月見もいいですが、月待ち、虫聴きというのも風流。
月が出るのを待ちながら、表で飲んだり食べたり。虫聴きは、外で秋の虫の声に耳を傾けることで、どちらも穏やかな時間です。
※ 「いとよしさんに聞く、春夏秋冬 暮らしの行事ごよみ」は、『天然生活』2024年2月号、P.28~33に掲載されています
<監修/尾﨑美香(いとよし) イラスト/赤池佳江子 取材・文/鈴木麻子>
尾﨑美香(おざき・みか)
大手化粧品メーカー退社後に「室礼三千」で年中行事を学び、「いとよし」を立ち上げる。著書に『季節の行事と いまどきのしつらい手帖』(エクスナレッジ)。
https://ito-yoshi.com/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです