(『天然生活』2020年1月号掲載)
干すだけで、うま味が凝縮
スープや揚げものなど、さまざまに楽しめる自家製保存食「干し野菜」
料理研究家の黒田民子さんに、自家製保存食「干し野菜」のつくり方を教えていただきました。
食材を最後までむだにしないのが黒田さん流の保存食。
「お野菜の切れ端や皮なんかも、ちょこっと広げて干すだけで、うま味が凝縮した干し野菜になりますよ。
半日ほどの半干しなら戻さずに使えて、炒めものやスープ、揚げものとさまざまに楽しめます」
「干し野菜」のつくり方
表面を軽く乾かす程度が目安。
食べきれる量をこまめに干して。
材料(つくりやすい分量)
● 大根 | 1/8本 |
● にんじん | 1/2本 |
● かぼちゃ | 1/8個 |
● ごぼう | 1/2本 |
● れんこん | 小1/2節 |
つくり方
1 野菜はよく洗って、皮ごと使う。大根、にんじんはピーラーで薄切りにする。かぼちゃ、ごぼう、れんこんは5mm厚さの薄切りにする。
2 ざるの上に1を重ならないように並べ、日当たりと風通しのよい場所におく。半日~1日おいて、表面が白っぽくなるまで半干しにする。
※保存袋に入れ、冷蔵庫で1週間ほど保存可能。
「干し野菜の大根、にんじん」を使って
「干し野菜とベーコンのトマトスープ」のつくり方
干し野菜なら生野菜よりも食感がよく、より滋味深い味わいに。
調味料はごく控えめにして、素材本来のうま味を存分に味わいます。
材料とつくり方(分量はすべて適量)
1 鍋にサラダ油大さじ1を入れ中火で熱し、細切りのベーコンと大根、にんじんなどの干し野菜をさっと炒める。
2 トマトジュースと水を加え、煮立ってきたら弱火で10分ほど煮る。塩、こしょうで味をととのえ、器に盛りつける。仕上げにパセリのみじん切りを散らす。
「干し野菜のかぼちゃ、ごぼう、れんこん」を使って
「野菜チップス」のつくり方
低温の油でじっくり揚げれば、野菜チップスも自家製で楽しめます。
噛めば噛むほど、野菜の甘味がじんわりと感じられます。
材料とつくり方(分量はすべて適量)
揚げ油を170℃に熱し、かぼちゃ、ごぼう、れんこんの干し野菜を重ならないように入れて素揚げにする。薄いものは焦げやすいので注意する。油をきって熱いうちにお好みで塩をふる。
〈撮影/萬田康文 取材・文/結城 歩〉
黒田民子(くろだ・たみこ)
「All About」ホームメイドクッキングガイドとして手づくり食品のおいしさを紹介。『週刊朝日』で「黒田民子の家つまみでひとやすみ」を連載中。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです